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AIエージェントを入れるなら、どの業務から——最初の1つを選ぶ4つの目安

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AIエージェントを入れるなら、どの業務から——最初の1つを選ぶ4つの目安
この記事の要点

AIエージェントを入れる最初の業務は、いちばん困っている業務ではなく、いちばん確実に終わる業務から選ぶ。目安は4つで、回数が多いこと、手順が安定していること、送信や支払いのような取り消せない操作を含まないこと、件数と時間で結果を数えられること。1週間ぶんの作業を書き出して順に当てると、候補は1つか2つまで絞られる。

AIエージェントを入れようと決めたあと、多くの会社が最初につまずくのは技術ではありません。「どの業務からやるか」で止まります。候補はいくつもあって、どれも改善したい。だから決まらないまま、話が次の期へ持ち越されます。

当社は、最初の1つを選ぶときに4つの目安で見ています。この4つを順に通すと、候補はたいてい1つか2つまで絞られます。選び方そのものを開きます。

最初の1つを外すと、その後が全部止まる

最初に選んだ業務がうまくいかないと、社内の見方が「やっぱりうちには合わない」に変わります。二度目の提案は一度目より通りにくくなるので、実質的にそこで終わります。逆に、小さくても目に見えて楽になった実感が1つあると、次の業務は現場の側から挙がってきます。

だから最初の1つは、いちばん困っている業務ではなく、いちばん確実に終わる業務から選びます。ここを取り違えると、難しい業務に挑んで時間だけが過ぎます。

目安1 回数が多いか——月1回のものは後回しでよい

まず回数で見ます。同じ作業が週に何度も出てくるものから選びます。月に1回しか発生しない作業は、仮に半分の時間になっても、戻ってくる時間が月あたり数十分にしかなりません。作る手間に対して返りが小さく、しかも次に発生するのが1か月後なので、直した効果を確かめるのにも1か月かかります。

毎日か、少なくとも週に数回。この頻度があると、作ったものが合っているかどうかが数日で分かります。速く分かることは、それ自体が大きな利点です。

目安2 手順が安定しているか——毎回違う判断が要るものは後

同じ入力なら同じ手順で進む作業から選びます。「相手によって違う」「その時の状況次第」が多い作業は、手順を書き出す段階で止まります。これはAIの性能の問題ではなく、人が言葉にできていない判断がそこに埋まっているからです。

見分け方は単純で、その作業を初めての人に引き継ぐことを想像してみることです。口頭で5分では引き継げない作業は、いまの段階では選びません。

左から流れてきた同じ形の書類の束が、4枚のふるいを通るたびに減っていき、最後に1束だけが作業机に届く様子を描いた図
4つの目安を順に通すと、最初に着手する業務はたいてい1つに絞られる

目安3 間違えてもやり直せるか——取り消せない操作を含まない

送信、支払い、公開、削除。この4つを含む作業は、最初の1つには選びません。仕組みとしては人の承認を挟めば安全に作れますが、最初の1つは「動かしてみて直す」を何度もやる段階なので、失敗が外に出ない作業のほうが向いています。

下ごしらえまでを任せて、最後の一手を人が持つ形なら、この条件は満たせます。どこに線を引くかは、別の記事で型ごとに書きました。

目安4 結果を数えられるか——何件、何分と言えるもの

始める前に「いま何件あって、1件あたり何分かかっているか」を言える作業を選びます。これが言えないと、作ったあとで良くなったかどうかを誰も判定できません。社内で次の投資を決めるときに、感想しか残っていないのがいちばん困ります。

数えるのは正確でなくてかまいません。1週間だけ実際に計ってみて、おおよその件数と時間を出しておけば十分です。

4つ通したあとの、実際の決め方

まず1週間ぶんの作業を、粗くてよいので書き出します。次に、上の4つを順に当てて消していきます。回数が少ないものを外し、手順が安定しないものを外し、取り消せない操作を含むものを外し、数えられないものを外す。この順番だと、いちばん外しやすいものから消えていくので早く終わります。

残ったものが複数あるときは、いま人がいちばん嫌がっている作業を選びます。嫌がられている作業は、楽になったときの反応が大きく、次につながるからです。

型ごとの「最初に動かす1つ」

当社が用途別の型ごとに、最初に動かす1つとして決めているものも、同じ考え方で選んでいます。バックオフィス型なら「いちばん時間のかかっている1つの集計を、手元で動く形にします。」、問い合わせ・メール対応型なら「いちばん多い問い合わせ1種類の、仕分けと下書きから始めます。」。どちらも全体ではなく、1つに絞っています。

営業・提案づくり型は「直近の打ち合わせ記録から、提案のたたき台が出るところまで作ります。」、制作・クリエイティブ型は「いちばん回数の多い工程を1つ選び、手元で動くところまで作ります。」、社内ナレッジ型は「よく聞かれる質問の上位だけを対象に、根拠つきで答えられる状態にします。」。最初から全部を対象にしないのは、対象を広げるほど確かめるのが遅くなるからです。

1か月ほどで手元に動くものがあると、その先の話が具体的になります。何を足すか、どこは要らなかったか。机上で決めるより速く、間違いも安く済みます。

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芦刈庸介のプロフィール画像
この記事の担当芦刈庸介代表取締役 / エンジニア

大分県出身。フリーランスを経て2026年に株式会社NewBeginningsを設立。Web制作・アプリ開発・DX支援を通じて、地域の中小企業のデジタル化を伴走支援しています。「ITやDXは難しい」を「IT・DX・AIで楽になった」に変えることがミッション。

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