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仕事でAIに頼む指示の書き方、目的・材料・形・読み手を渡すと答えが変わる

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仕事でAIに頼む指示の書き方、目的・材料・形・読み手を渡すと答えが変わる
この記事の要点

仕事でAIに頼む時は、目的・材料・出してほしい形・読み手の4つを指示に入れる。目的は何のために使うか、材料は事実や社内の決まりなどAIが知らない情報、形は長さや見出しや箇条書きかどうか、読み手は誰がどんな状況で読むかである。この4つが欠けると、AIは一般論で空白を埋める。また、最初の答えを見てから自分が求めていた物に気づくことが多いので、どこをどう変えてほしいかを具体的に伝えて2〜3回直させる前提で頼む方が、一度で完璧な指示を書こうとするより手間が少ない。

「来月の展示会の案内文を書いて」。この一行でAIに頼むと、それらしい案内文は出てきます。ただ、日時も会場も出展内容も知らないAIは、そこを一般的な言葉で埋めるしかありません。「新製品を多数展示いたします」「ぜひお気軽にお立ち寄りください」。どの会社が出しても通じる文章になって、結局ほとんど書き直すことになります。

答えが今ひとつな時、AIの性能を疑う前に、頼み方に何が足りなかったかを見る方が早く片づきます。人に仕事を頼む時と同じで、相手が知らないことは伝えないと伝わりません。AIが相手の場合、その「知らないこと」の範囲が人よりずっと広い、という違いがあるだけです。

仕事の頼み方で最低限入れたいのは、目的、材料、出してほしい形、読み手の4つです。順に見ていきます。

目的

何のためにその文章や資料を使うのかを、一文で書きます。案内文なら、来場してほしいのか、既存のお客様に挨拶したいのか、新しい取引先を探したいのか。目的が違えば、書き出しも締めくくりも変わります。

目的を書かないと、AIは一番無難な目的を勝手に想定します。無難な文章は、誰の気にも障らない代わりに、誰の行動も変えません。

目的は、なるべく具体的な行動で書くのがコツです。「展示会を知ってもらう」より「既存のお客様に、ブースで新しい部品の試作品を触ってもらう」の方が、AIは文章のどこで一番強く伝えればいいかを判断できます。目的が一文で書けない時は、そもそもその文章で何をしたいのかが社内で決まっていない可能性があります。AIに頼む前に、上司や担当者と一言すり合わせておく方が、結果として早く終わります。

材料

AIが知らない事実を渡します。日時、場所、価格、商品の特徴、相手とのこれまでの経緯、社内の決まり。ここが空だと、AIは知っていそうなことで穴を埋め、場合によっては事実と違う内容を書きます。

材料は整えなくて構いません。メモの走り書き、前回のメールの本文、チラシの文字をそのまま貼って「この中の情報だけを使ってください」と添えるだけでも、答えは大きく変わります。

一つ気をつけたいのは、材料として貼る情報の中身です。お客様の個人情報や社外秘の数字を貼ってよいかは、使っているサービスとプラン(個人向けか法人向けか)と、社内の決まり次第です。迷う時は、名前を「A社」に置き換えるなどしてから渡します。

材料をたくさん貼る時は、指示と材料の境目が分かるようにしておくと混乱が減ります。「ここから下が材料です」と一行入れる、材料の前後に線を引く、といった程度で十分です。境目が曖昧だと、AIが材料の中の一文を指示だと受け取ってしまうことがあります。

出してほしい形と読み手

形は、長さ、見出しの有無、箇条書きか文章か、敬語の強さなどです。「400字くらい」「件名と本文に分けて」「3案出して」と書くだけで、あとで直す手間が減ります。

読み手は、誰がどんな状況で読むかです。取引先の社長がスマホで読むのか、社内の新人が作業しながら読むのか。同じ内容でも、読み手が違えば言葉の選び方が変わります。

読み手を書くと、AIは言葉の難しさも合わせて調整します。同じ勤務シフトの変更を伝える文章でも、「店長向けに、変更の理由と人件費への影響まで」と頼むのと、「今月入ったアルバイトの人向けに、明日から何が変わるかだけ」と頼むのとでは、出てくる文章の長さも言葉も別物になります。読み手を書かないと、AIはその中間くらいの、誰にとっても少しずつ合わない文章を出してきます。

4つの異なる形の部品が、一つの箱の中にぴったり収まっていく様子を描いた図。箱の横には、部品が欠けたまま隙間の空いた別の箱が並べられている。
目的・材料・形・読み手の4つをそろえて渡すと、AIは一般論で空白を埋めずに済む。

足りない情報をAIに聞かせる

4つをそろえようとしても、何を渡せばいいか自分でも分からない時があります。新しい種類の書類を初めて作る時などです。そういう時は、書かせる前にAIに質問させる手があります。

頼み方は「この案内文を書くために、あなたが知っておくべきことを質問してください。質問は5つまでにして、答えを受け取ってから書き始めてください」のような一言で足ります。

こう頼むと、AIは対象の相手、日時、伝えたい一番のこと、といった確認を返してきます。答えていくうちに、自分が何を決めていなかったかがはっきりします。決まっていなかったのは、実はAIへの指示ではなく自分の段取りだった、ということも珍しくありません。

質問の数に上限を付けておくのは、放っておくと細かい確認がいくらでも続くからです。5つ前後なら、答えるのにそれほど時間はかかりません。

悪い頼み方と良い頼み方

同じ仕事を頼む指示を、並べて比べてみます。

悪い頼み方良い頼み方
展示会の案内文を書いて既存のお客様に、ブースで新しい部品の試作品を触ってもらうための案内メールを書いてください。日時と会場と出展内容は下に貼ります。取引先の購買担当者がスマホで読む前提で、件名と本文に分け、本文は300字程度にしてください
この議事録をまとめて下の会議メモを、欠席した営業部長が5分で読めるようにまとめてください。決まったこと、まだ決まっていないこと、次に誰が何をするかの順に箇条書きで。メモに無いことは足さないでください
求人の文章を考えて自社サイトに載せる、配送ドライバーの求人の文章を書いてください。勤務時間、給与、仕事の中身は下のメモに書きます。初めて応募する人が不安に思いそうなこと(未経験でよいか、どんな車に乗るか)に答える形で、400字以内にしてください。メモに無い手当や待遇は書かないでください

良い頼み方は長く見えますが、書いている中身は目的・材料・形・読み手の4つだけです。慣れると短く書けます。業務の種類ごとの頼み方の例は、ChatGPTを仕事で使う具体例5選に並べています。

右の列の2行目と3行目には、もう一つ工夫があります。「メモに無いことは足さないでください」のように、やってほしくないことも一言添えている点です。AIは親切なので、頼まれていない情報まで足そうとします。それが困る場面では、先に止めておきます。

一度で決めない直し方

どれだけ丁寧に指示を書いても、最初の答えが一発で使えることは多くありません。むしろ、最初の答えを見てから自分が何を求めていたかに気づくこともよくあります。

そこで、最初から2〜3回やり取りする前提で頼みます。直す時のコツは、どこを残して、どこをどう変えるかを具体的に言うことです。

たとえば「もっと良くして」と頼みたくなったら、「2段落目は残して、書き出しを来場のお願いから始めてください」と言い換えます。硬いと感じた時は「取引先との距離感はこのままで、社内向けの言葉づかいを外してください」。長すぎる時は「半分の長さにして、日時と会場は必ず残してください」と、残すものまで指定します。

漠然と直させると、AIは全体を書き換えて、良かった部分まで変えてしまいます。直してほしい場所を指さすように伝えると、良い部分を残したまま前に進めます。

何度頼んでも同じ所がずれる時は、答えを直させ続けるより、指示の側を直す方が早く片づきます。ずれの元は、目的か読み手の書き方が曖昧なことにある場合が多いからです。一度会話を切って、指示を書き直して新しく頼んだ方が早いこともあります。

うまくいった頼み方を残す

良い答えが出た時の指示は、捨てずに残しておきます。社内で共有できる場所に、何に使った指示かと一緒に貼っておけば、次は材料だけ差し替えて使えます。同じ頼み方を何度も繰り返すなら、手順ごとAIに覚えさせる方法もあり、その進め方は同じ説明を3回したら、スキルにするで書いています。

指示の書き方は、特別な技術というより、人に仕事を頼む時の段取りそのものです。社内でAIの使い方をそろえていく相談は、DX推進・伴走支援でも受けています。

よくある質問

AIへの指示には何を書けばいいですか?
目的、材料、出してほしい形、読み手の4つです。何に使う文章か、AIが知らない事実は何か、長さや体裁はどうするか、誰が読むかを書くと、一般論で埋められる部分が減ります。
指示は長く書いた方がいいのですか?
長さより中身です。4つの要素が入っていれば数行で足ります。反対に、長く書いても目的や読み手が抜けていると、答えは的外れになりやすいです。
一回で思いどおりの答えが出ません。
それが普通です。最初の答えを見て、どこを残し、どこをどう変えるかを具体的に伝えて直させます。2〜3回のやり取りで仕上げるつもりで頼むと、指示を書く手間も減ります。
よく使う頼み方を毎回書くのが面倒です。
うまくいった指示を社内で共有できる場所に残し、次からは貼り付けて材料だけ差し替えます。同じ頼み方を何度もするなら、手順としてAIに覚えさせる方法もあります。

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芦刈庸介のプロフィール画像
この記事の担当芦刈庸介代表取締役 / エンジニア

大分県出身。フリーランスを経て2026年に株式会社NewBeginningsを設立。Web制作・アプリ開発・DX支援を通じて、地域の中小企業のデジタル化を伴走支援しています。「ITやDXは難しい」を「IT・DX・AIで楽になった」に変えることがミッション。

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