「AIを仕事で使ってみよう」と調べはじめると、まず Claude・Gemini・ChatGPT という3つの名前にぶつかります。どれも似たことができそうで、結局どれを選べばいいのか分からない——大分の経営者の方から、いちばんよくいただく質問です。この記事では、3つの「できること」と「できないこと」を、できるだけ噛み砕いて整理します。
先にお断りしておきます。ここに書いた内容は2026年9月時点のものです。3社とも数週間おきに新機能を出しているので、半年後には得意分野が入れ替わっている可能性があります。「今この時点での使い分け」として読んでください。
まず結論:日常業務は3つともできる
身も蓋もない話からすると、ふだんの仕事で使う範囲——メールの下書き、議事録の要約、長い資料の読み取り、翻訳、企画のたたき台づくり——は3つともできます。「これはこのAIにしかできない」という日常業務は、実はほとんどありません。
違いが出るのはその周りです。どのサービスと繋がっているか、どんな形で使えるか、長い文章にどこまで耐えるか。選ぶときはここを見ます。
ChatGPT(OpenAI)——使っている人が多く、周辺の道具が揃っている
- 得意:文章・要約・翻訳に加えて、画像の生成、音声での会話、表計算ファイルの読み取りまで、ひととおり揃っている
- 強み:日本語の解説記事や使い方の情報が見つけやすく、困ったときに調べやすい。社内に詳しい人がいなくても始めやすい
- 向く場面:「まず1つだけ試したい」「幅広くいろいろ使いたい」
Gemini(Google)——Googleの中の作業に近い
- 得意:Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・ドライブといったGoogleのサービスとの距離が近い
- 強み:すでに会社のメールやファイルがGoogleに乗っているなら、そこにあるものをそのまま扱わせやすい
- 向く場面:Google Workspaceで社内が回っている会社。メールの整理、スプレッドシートの集計まわり
Claude(Anthropic)——長い文章と、パソコンの中の作業
- 得意:長い書類の読み書き。契約書・仕様書・議事録のような「量のある文章」を通しで扱うのが得意
- 強み:日本語の言い回しが自然だという評価が多い。もう1つ、ターミナル(黒い画面)から使う Claude Code という形があり、自分のパソコンの中のファイルを直接読んで書き換えたり、コマンドを実行させたりできます
- 向く場面:文書仕事が多い会社。ホームページや社内システムを自分たちで触りたい会社
3つとも「できないこと」——ここが一番大事です
選ぶ話より、こちらのほうが実務では効きます。3社に共通してできないことが4つあります。
- 社内の事情を勝手には知りません。自社の価格表・過去の見積り・お客様の履歴は、渡さないかぎり分かりません。「うちの会社のことなのに的外れ」と感じるときは、たいてい前提を渡していないだけです
- 事実の裏取りをしてくれません。もっともらしい間違いを、堂々と書いてきます。数字・法令・補助金の要件など、外に出す情報はかならず一次情報で確認してください
- 責任は取りません。最終確認は人の仕事のままです。とくに見積り・契約・医療や労務にかかわる判断はそのまま出さないこと
- 入力した情報の扱いは、プランや設定で変わります。「学習に使われるかどうか」は各社の設定画面で確認できます。社内ルールを先に決めてから使いはじめるのが安全です
用途別の早見
- 議事録・長い資料の要約:どれでも可。量が多いならClaude
- Gmailやスプレッドシートの中の作業:Gemini
- 画像づくり・音声で話しかけたい:ChatGPT
- ホームページや社内ツールを触らせたい:Claude(Claude Code)
- 調べもの:どれでも可。ただし出典を開いて自分の目で確認する
「全部契約すべき?」への答え
まずは1つに絞ることをおすすめします。理由は費用ではなく、社内に定着させる手間です。3つ並べると「どれで聞けばいいか」を毎回考えることになり、けっきょく誰も使わなくなります。1つ決めて、使う場面を3つくらいに限定して、3か月ほど回してみる。物足りなくなってから2つ目を足す、という順番が現実的です。
なお、どれを選んでも「AIを入れたのに使われない」という壁は同じようにやってきます。原因はツールではなく、使う場面を決めていないことにあります。この話は別の記事で詳しく書いています。
まとめ
- 日常業務の範囲では3つとも同じことができる。差は「周りとの繋がり方」に出る
- Googleで回っているならGemini、幅広く試すならChatGPT、文書量が多い・パソコンの中を触らせたいならClaude
- できないこと(社内事情・裏取り・責任・情報の扱い)は3社共通。ここを人が受け持つ前提で組む
- まずは1つに絞る。増やすのは物足りなくなってから
ここまで読んで「うちの業務だと、どれをどう使えばいいのか」が具体的に見えない方も多いと思います。大分県内の企業さま向けに、業務の棚卸しからツール選び、社内ルールづくりまで一緒に進める支援をしています。詳しくはAI導入・DX支援のページをご覧ください。
参考・出典
※本記事の内容は2026年9月時点の各社公式情報および当社での利用にもとづきます。機能・料金は改定されることがあります。最新は各公式サイトでご確認ください。



