大分県は乾しいたけ生産量日本一、かぼす生産量は全国シェア90%以上。ハウスみかん、白ねぎ、ニラなど、多彩な農産物が自慢の「農業県」です。
でも、正直なところ——ITの恩恵を受けている農家さんは、まだごくわずかではないでしょうか。
- 作業記録はノートに手書き
- 出荷はJAに全量出荷で、価格は市場任せ
- 確定申告の時期になると、レシートの山と格闘
これらは全部、スマホやクラウドサービスで劇的にラクになる分野です。しかも「数百万円のシステム導入」ではなく、無料〜月額数千円で始められるものがほとんど。
この記事では、大分の農家さんが今日から使えるスマート農業ツールと、導入コストを抑える補助金情報をまとめました。
スマート農業ツール4選|スマホ1台から始められる
1. 圃場管理アプリ — 作業記録をスマホで
「いつ、どの圃場で、何をしたか」をスマホで記録するアプリです。手書きノートと違い、過去の記録を日付・作物・圃場名で即座に検索できます。
- アグリノート:地図上に圃場を登録し、作業記録・農薬散布履歴を管理。GAP認証にも対応
- 畑らく日記:シンプルな操作で作業記録。写真付きの栽培日誌として使える
- KSAS(クボタ):クボタの農機と連携し、圃場ごとの収量・コストを自動記録
まず試すならアグリノートの無料プランがおすすめ。大分の椎茸栽培でも、原木の管理番号と合わせて使えば、どの原木がいつ収穫期かを一覧で把握できます。
2. IoTセンサー — ハウスの温度管理を自動化
大分のハウスみかん農家さんにとって、温度・湿度の管理は収量に直結する重要な作業です。これまでは早朝にハウスまで行って温度計を確認していたのが、IoTセンサーなら自宅のスマホで24時間モニタリングできます。
- みどりクラウド:温度・湿度・CO2濃度をリアルタイム監視。異常値でスマホに通知
- e-kakashi(ソフトバンク):AIが栽培環境を分析し、最適な管理をアドバイス
センサー1台あたり月額1,000〜3,000円程度。ハウスの暖房燃料費の節約分で十分ペイする農家さんも多いです。
3. ドローン — 農薬散布の時間を1/10に
中山間地域が多い大分県では、傾斜地の農薬散布は特に重労働。ドローンなら1ヘクタールを約10分で散布できます。
- DJI Agras シリーズ:農業用ドローンの定番。自動飛行ルート設定で均一に散布
- 購入 vs レンタル:機体は100〜300万円と高額。まずはJA や地域のドローン散布サービスを利用するのが現実的
大分県内でもJAおおいた等でドローン散布の実証・支援が進んでいます。まずは地元JAに相談してみてください。
4. 出荷・在庫管理 — Excelの限界を超える
出荷先が複数ある農家さんは、「どこに、何を、いくつ出したか」の管理が煩雑になりがちです。
- 豊作計画:出荷予定・実績を一元管理。出荷先別の売上も把握
- kintone(農業テンプレート):出荷管理・顧客管理をノーコードでカスタマイズ
直販・EC化で「売る力」をつける
JAへの全量出荷だけでなく、直販チャネルを持つことで単価アップが狙えます。大分の農産物は品質が高いので、ブランド化すれば「指名買い」してもらえるポテンシャルがあります。

自社ECサイト
- BASE / STORES:初期費用ゼロ。スマホだけでネットショップを開設できる
- Shopify:本格的にやるならこちら。定期便(サブスクリプション)機能も
かぼすの加工品、乾しいたけのギフトセット、旬のハウスみかん——「大分から産地直送」のストーリーは都市部の消費者に響きます。
ふるさと納税
大分県内の自治体のふるさと納税返礼品として登録すれば、認知度アップと安定した販路を同時に獲得できます。臼杵市のかぼす、国東市の椎茸など、すでに人気の返礼品も多数。
SNS活用
Instagramで畑の風景や収穫の様子を発信するだけで、ファンが増えます。「この人から買いたい」と思ってもらえれば、価格競争から抜け出せます。
記帳・確定申告のデジタル化
農家さんの確定申告は農業簿記の独特なルールがあり、手作業だと本当に大変です。クラウド会計ソフトなら、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で仕訳してくれます。
- freee:スマホでレシート撮影→自動仕訳。農業所得の申告にも対応
- マネーフォワード クラウド確定申告:銀行・カード連携が強力。農業用の勘定科目もカスタマイズ可能
- ソリマチ 農業簿記:農業専用の会計ソフト。農業所得収支内訳書をそのまま出力
月額1,000〜3,000円程度で、確定申告の作業時間が数日→数時間に短縮されます。「申告の時期が憂鬱」という農家さんほど、効果を実感できます。
使える補助金・支援制度まとめ
スマート農業ツールの導入には、国や県の補助金が使えるケースが多いです。知らないと損するので、主なものをまとめました。

1. スマート農業総合推進対策事業(農林水産省)
スマート農業技術の導入・実証を支援する国の事業。IoTセンサー、ドローン、ロボット農機などが対象です。補助率は原則1/2以内。
2. 経営継続補助金
自然災害等への備えとして、農業用機械やITシステムの導入に使える補助金。上限100万円(補助率3/4)。
3. IT導入補助金(経済産業省)
農業法人・農業経営体も申請可能。クラウド会計ソフト、受発注システム、EC構築ツールなどITツール全般が対象です。補助額は最大450万円(種類による)。
4. 大分県独自の支援
大分県では「おおいた農林水産業DX推進」として、スマート農業の導入を積極的に支援しています。県の農業振興課や最寄りのJAに相談すると、使える補助金や実証事業の情報を教えてもらえます。
補助金は公募期間が限られているので、「使いたい」と思ったら早めに情報収集を始めましょう。
まとめ|大分の農業をITでもっと強くする
大分県の農業は、品質では全国トップクラス。でもITの活用度では、まだまだ伸びしろがあります。
- スマート農業ツール:圃場管理アプリ、IoTセンサー、ドローンで作業を効率化
- 直販・EC化:BASE/ふるさと納税/SNSで「売る力」を強化
- 記帳デジタル化:クラウド会計で確定申告のストレスを解消
- 補助金活用:IT導入補助金・県の支援制度でコストを抑える
全部一気にやる必要はありません。「一番面倒な作業」を1つだけデジタル化するところから始めてください。
「うちの農業にITをどう取り入れたらいいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。農業法人のDX支援も対応しています。月額3.3万円〜のDXコンサルティングで、現場に合ったツール選定から導入・運用までサポートします。