「SNSコンサルに『YouTube始めましょう!動画の時代ですよ!』と言われたんですが、本当にうちに必要ですか?」——最近、大分の中小企業の経営者からこの相談がとても増えています。
結論から言うと、動画マーケティングは「全員がやるべきもの」ではありません。向いている業種とそうでない業種がはっきりありますし、そもそもホームページやSEOが整っていない段階で動画に手を出しても、ほぼ確実に挫折します。
この記事では、「動画を始めるべきか、まだ早いか」を判断するための基準を、正直にお伝えします。
動画マーケティングが向いている業種
動画が強い業種には共通点があります。それは「文字や写真だけでは伝わりにくい価値」を持っていること。具体的には次のような業種です。
飲食店:調理シーンやメニュー紹介
肉が焼ける音、ラーメンの湯気、パスタをくるくる巻く手元——こういった「シズル感」は写真では限界があります。15秒の調理動画がきっかけで来店するお客様は確実にいます。大分のラーメン店や居酒屋さんなら、看板メニューの調理シーンを撮るだけで十分なコンテンツになります。
美容室・サロン:ビフォーアフター
カットやカラーのビフォーアフターを動画で見せると、写真の何倍も説得力があります。「この美容師さんにお任せしたい」と思ってもらえるかどうかは、施術の過程を見せられるかどうかで大きく変わります。実際に大分でも、Instagramのリール動画でビフォーアフターを投稿している美容室は予約が埋まりやすい傾向があります。
不動産:物件のルームツアー
間取り図と写真だけでは部屋の広さや雰囲気が伝わりません。スマホで撮った1分間のルームツアー動画があれば、内見前の問い合わせが格段に増えます。大分の賃貸・売買物件でも、動画付きの掲載は明らかにクリック率が高いです。
製造業:技術力・工程の紹介
工場の製造工程や職人の手仕事を動画で見せると、カタログだけでは伝わらない技術力が一目で伝わります。BtoB企業でも、展示会動画や製品デモ動画は商談の強力な武器になります。大分県内にも高い技術力を持つ製造業の企業は多いですが、Webでの発信が弱いために認知されていないケースが少なくありません。
動画マーケティングが「まだ早い」ケース
ここからが本音の話です。動画マーケティングは万能ではありません。以下に当てはまる場合は、動画より先にやるべきことがあります。

ホームページがない・古すぎる
動画を見て興味を持った人が次にやるのは「会社名で検索する」ことです。そのとき、ホームページがないか、10年前のデザインのまま放置されていたら?せっかく動画で興味を持ってくれた見込み客が、そこで離脱します。動画は「受け皿」があって初めて意味を持ちます。
SNSのフォロワーがほぼゼロ
YouTubeに動画を上げても、チャンネル登録者0人の状態ではほぼ誰にも見られません。「バズれば伸びる」は宝くじと同じです。まずはInstagramやGoogleビジネスプロフィールで地道にフォロワーを増やし、動画を見てくれる「最初の観客」を作ることが先決です。
そもそもの集客チャネルが未整備
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の情報が未更新、ホームページのSEO対策がゼロ、問い合わせフォームすらない——この状態で動画を始めるのは、屋根のない家に高級家具を置くようなものです。集客の「土台」を先に整えましょう。
始めるなら最小コストで:スマホ1台からOK
「向いている業種」に当てはまって、HPとSEOの土台もできている。それなら動画を始めてみる価値は十分あります。ただし、最初から高い機材や編集ソフトを買う必要はまったくありません。
- 撮影機材:スマホ1台で十分。最近のiPhone・Androidなら画質は問題なし
- 編集ソフト:CapCut無料版で十分。テロップ・BGM・カットが直感的にできる
- 動画の長さ:まずは15〜60秒のショート動画から。長尺は慣れてからで大丈夫
- 投稿頻度:週1〜2本で十分。無理して毎日投稿する必要はない
大事なのは「完璧な動画を1本作る」ことではなく「まず1本出してみる」こと。クオリティは後からいくらでも上げられます。
YouTubeだけじゃない:動画の活用先はたくさんある
「動画=YouTube」と思い込んでいる方が多いですが、実は中小企業にとってはYouTube以外の方が効果的なケースもあります。
- Instagram Reels:既存フォロワーへのリーチ+発見タブで新規客にも届く。飲食・美容に特に強い
- TikTok:若い世代へのリーチ力は圧倒的。ただしターゲット層が合うかは要検討
- Googleビジネスプロフィール:動画を掲載するとGoogle検索・マップでの表示が有利に。地元集客に直結する
- 自社ホームページ:サービス紹介ページに動画を埋め込むと、滞在時間が伸びてSEO効果もある
おすすめは「1本の動画を複数プラットフォームに使い回す」方法です。スマホで撮った動画をCapCutで編集して、Instagram Reels・TikTok・Googleビジネスプロフィール・自社HPに同時投稿する。これなら手間は1回で、露出は4倍になります。
費用の目安:自分でやるなら0円、外注なら1本5〜15万円
動画マーケティングの費用感を整理しておきましょう。

- 完全自作(スマホ撮影+CapCut編集):0円。時間だけかかるが、最初はこれで十分
- フリーランスに依頼:1本3〜8万円。ショート動画や簡単な編集ならこの範囲
- 制作会社に依頼:1本5〜15万円。企画・撮影・編集のフルパッケージ
- 本格的な企業PR動画:30〜100万円。ナレーション・ドローン撮影・アニメーション込み
中小企業がまず試すなら、断然「自分で撮る」一択です。プロ並みのクオリティは不要。スマホで撮った「リアルな雰囲気」の方が、きれいすぎる動画より親近感を持たれることも多いです。まずは3ヶ月間自分で試してみて、反応が良ければ外注を検討する——この流れが最もリスクの低い始め方です。
まとめ:動画の前にHPとSEOを固めるのが先
最後に、正直なアドバイスをまとめます。Web集客の優先順位はこの順番です。
- ホームページ(信頼の拠点・24時間営業の受け皿)
- SEO・MEO対策(Google検索・マップからの安定集客)
- SNS運用(Instagram・LINE等で認知拡大)
- 動画マーケティング(土台ができてからの加速装置)
動画マーケティングは強力なツールですが、あくまで「加速装置」です。加速する土台(HP・SEO・SNS)がなければ、いくらアクセルを踏んでも前に進みません。
「うちはまずHPからだな」と思った方も、「HPはあるから動画を始めてみたい」と思った方も、Web集客全般のご相談をお受けしています。「何から手をつけるべきか」を一緒に整理するだけでも大丈夫ですので、お気軽にお問い合わせください。