GビズIDプライムは従来「印鑑証明書+書面申請」が必須でしたが、現在はマイナンバーカードを使ったオンライン申請に対応し、書面郵送なしで最短即日〜1週間で取得できます。個人事業主時代に取ったエントリーは法人では使えないため、法人化したら取り直しが必要。エントリー・メンバー・プライムの違いと、使えるサービスの範囲、実際にオンライン申請した時の流れと落とし穴を体験ベースで解説します。
正直なところ、私(代表)も最初は自分でオンライン申請をしようとして、つまずきました。マイナンバーカードを使えば書面は不要なのですが、忙しくて手続きを途中で放置してしまい、メールのURLが期限切れになって先に進めなくなり、最終的に顧問税理士にお願いして取得しました。だからこそ、同じところでつまずかないように、申請の流れとハマりやすい落とし穴を正直にまとめます。
この記事では、GビズIDの3種類(エントリー・メンバー・プライム)の違い、どれを取るべきか、オンライン申請の具体的な流れ、ハマった落とし穴までまとめます。これから法人でGビズIDを取る方、どの種別を取ればいいか迷っている方向けの体験記です。
GビズIDって何?なぜ必要?
GビズIDは、デジタル庁が提供する「行政手続きのためのオンライン認証ID」です。1つのIDで、以下のような複数の行政サービスにログインできます。
- JGrants(補助金の電子申請)
- IT導入補助金・ものづくり補助金など、主要な補助金の申請
- 社会保険手続(e-Gov連携)
- マイナポータル「法人設立ワンストップサービス」での届出
- 法人税・消費税の電子申告(e-Tax連携)
- 労働基準監督署の手続(36協定届など)
IT導入補助金の申請や、マイナポータルで法人設立ワンストップを使う場合、GビズIDが事実上の必須条件になります。法人を設立したら、早めに取得しておくのがおすすめです。
3種類のアカウントの違い — エントリー・メンバー・プライム
GビズIDは目的に応じて3種類のアカウントがあり、使えるサービスが異なります。
エントリー
- 対象:個人事業主・法人代表者
- 申請方法:Web即時発行(メール+基本情報)
- 費用:無料
- 使えるサービス:一部サービスのみ(補助金系の一部は利用不可)
手軽に取れますが、IT導入補助金やJGrants全機能はプライムでないと利用できないため、本格的に使うならプライム一択です。
メンバー
- 対象:プライムアカウントの従業員
- 申請方法:プライムアカウント経由で追加発行
- 費用:無料
- 使えるサービス:プライムと同等(権限は管理者が制御)
社員が複数いる場合に、代表者のIDを使い回さずにメンバーアカウントを発行します。
プライム(本命)
- 対象:個人事業主・法人代表者
- 申請方法:以下の2パターン
- 従来:印鑑証明書+書面申請(郵送)
- 新方式:マイナンバーカードでオンライン申請(書面不要)
- 費用:無料
- 使えるサービス:すべて
補助金申請や法人設立ワンストップを本格的に使うなら、プライム一択です。
実際にやってみた — マイナンバーカードでオンライン申請
正直に書きます。私(代表)も最初は、マイナンバーカードを使って自分でオンライン申請をしようとしました。書面の郵送は要らず、画面の案内に沿って進めるところまでは、たしかにできました。
ところが、そこで忙しくなって3週間ほど手続きを放置してしまったんです。いざ続きをやろうとしたら、手続き用に届いていたメール(URL)の有効期限が切れていて、パスワードの設定まで進めなくなっていました。「あれ、パスワードどうするんだったかな」とすっかり手が止まり、結局自力での完了をあきらめて、顧問税理士にお願いして改めて申請してもらいました(費用は顧問契約の範囲内で、追加負担はありませんでした)。
伝えたいのはこの一点です。GビズIDは「難しくて取れない」のではなく、「途中で止めて放置すると、期限切れで詰まる」。逆に言えば、最初に時間制限さえ押さえておけば、途中で止まらずに進められます。手順そのものは、次のとおりシンプルです。
事前に用意したもの
- マイナンバーカード(署名用電子証明書の暗証番号=英数字6〜16桁・大文字、と、券面事項入力補助用の暗証番号=数字4桁)
- カードを読み取れるスマートフォン(「GビズIDアプリ」を事前にインストール。SMSも受信できるもの)
- パソコンとメールアドレス(申請の入口・連絡用)
- 法人番号(入力すると商号・本店所在地が自動で入ります)
ステップ1:プライムを選んで事前チェック
GビズID公式サイトで「アカウントの作成をはじめる」→「プライムアカウントを申請する」へ進みます。法人代表者か/マイナンバーカードはあるか/読み取れるスマホはあるか/暗証番号は覚えているか、を順に答えていきます。
ステップ2:メールアドレスを登録(ここが30分の関門)
メールアドレス(これがログインIDになります)を登録すると、ワンタイムパスワードがメールで届きます。これを30分以内に入力します。過ぎると最初からやり直しなので、メールが来たらすぐ入力しましょう。
ステップ3:会社の基本情報とパスワードを設定
法人番号を入れると、商号・本店所在地が自動入力されます。代表者の氏名・連絡先・SMSを受け取る電話番号を入力し、ここでGビズIDのログインパスワードを"自分で"設定します。このパスワードを忘れると後で詰まるので、必ず控えておきましょう。
ステップ4:GビズIDアプリとマイナンバーカードで本人確認
パソコンに表示されるQRコードを、スマホの「GビズIDアプリ」で読み取ります。QRコードの有効期限は10分(過ぎたら再表示。ただし再表示すると、最初のQRは無効になります)。読み取れたら、署名用の暗証番号でマイナンバーカードを使って本人確認します。これで書面の郵送は一切不要です。
ステップ5:審査 → 発行
申請が終わると審査に入ります。審査は最短で即日、長くて1週間ほど。完了するとメールで通知が届くので、最後の手続きを済ませれば完了です。従来の印鑑証明書+書面申請は2週間ほどかかっていたので、ぐっと早くなりました。
ハマった落とし穴3つ
落とし穴1:途中で放置すると、期限切れで詰む(←私が詰まったやつ)
一番ハマりやすいのがこれです。上の手順を見て分かるとおり、メールのワンタイムパスワードは30分以内、マイナンバーカードを読み取るQRコードは10分と、いくつもの時間制限があります。さらに、申請を始めたあとに届くメールのURLにも期限があります。私はここで3週間放置してしまい、期限切れでそこで止まってしまいました。
対策はシンプルで「始めたら、その日のうちに一気に最後まで進める」。もし途中で中断しても、GビズIDのマイページにログインすれば、続きから再開できます(最初からやり直しではありません)。これを知らないと、私のように「もう無理だ」と放り出してしまいます。
落とし穴2:マイナンバーカードの署名用パスワードが分からないと詰む
オンライン申請のもう一つの関門が、マイナンバーカードの署名用パスワード(英数字6〜16桁・大文字)です。利用者証明用パスワード(数字4桁)と混同しがちですが、電子署名で使うのは署名用の方です。
3回連続で間違えるとロックされ、市役所の窓口まで再設定に行く必要があります(大分市なら大分市役所の市民課窓口で即対応してもらえます)。心当たりがなければ、申請を始める前に再設定しておくと安心です。
落とし穴3:個人事業主時代のGビズIDは、法人では使えない
個人事業主のときにGビズIDを取っていても、法人化したら法人として新規に取り直しが必要です。GビズIDは法人番号で紐づくため、個人事業主のIDをそのまま使い回すことはできません。
JGrantsなどで補助金を申請しようとして「個人事業主扱いのままで手続きが進まない」と気づくケースがあります。法人設立 → GビズID取得 → 補助金申請の順で動くとスムーズです。
これからGビズIDを取る人へのおすすめ手順
事前準備
- マイナンバーカードを取得し、署名用パスワード(英数字6〜16桁)を確認
- スマホ+GビズIDアプリを準備(マイナンバーカードの読み取りに使用)
- 法人の登記事項証明書で法人番号を確認
- 何に使うかを明確に(補助金・法人設立ワンストップ・e-Tax等)
ステップ1:プライムを取得(マイナンバーカード方式)
書面申請は時間がかかるので、マイナンバーカードでオンライン申請を選択。数日〜1週間で発行されます。
ステップ2:メンバーアカウントを発行(必要なら)
社員や外注パートナーに権限を渡したい場合は、プライム取得後にメンバーアカウントを追加発行します。
ステップ3:使いたいサービスにログイン
- JGrants(補助金電子申請)
- IT導入補助金ポータル
- マイナポータル法人設立ワンストップサービス
- e-Gov(社会保険手続)
GビズID取得後の関連手続き
GビズIDプライムを取得したら、次に繋げたい行政手続きがいくつかあります。
- マイナポータル「法人設立ワンストップサービス」:登記後の税務・社会保険届出をまとめて申請。詳しくは「マイナポータルの法人設立ワンストップサービスを使ってみた」でまとめています。
- IT導入補助金:GビズIDプライム必須。業務ソフト導入の最大450万円補助
- ものづくり補助金:業態転換・設備投資に使える大型補助金
- 小規模事業者持続化補助金:広告宣伝・Web制作の費用にも使える(上限200万円)
GビズIDとホームページ・DX支援の関係
GビズIDを取る目的の多くは補助金申請です。特に小規模事業者持続化補助金はホームページ制作費用にも使えます。つまり、GビズID→補助金→ホームページ制作、という流れで自己負担を減らして事業基盤を整えることが可能です。
株式会社NewBeginningsでは、「おまかせプラン」(15万円)や「法人スタートパック」(17万円)など、補助金対象になりやすい金額帯のホームページ制作を提供しています。補助金申請の際に必要な見積書・契約書もセットでご用意可能です。
また、補助金申請書類の作成支援や、DXプラン全体の設計はDX・AI導入支援サービスでサポートしています。「GビズIDは取ったけど、次に何をすればいいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. GビズIDプライムの取得にかかる日数は?
マイナンバーカードを使ったオンライン申請なら、書面の郵送なしで数日〜1週間ほどで取得できます。従来の印鑑証明書+書面申請は2週間ほどかかっていたため、ぐっと短くなりました。
Q. GビズIDの取得に費用はかかりますか?
無料です。エントリー・メンバー・プライムのいずれも、取得・利用ともに費用はかかりません。
Q. 個人事業主のときに取ったGビズIDは法人でも使えますか?
使えません。個人事業主時代のアカウントは法人とは別人格の扱いになるため、法人化したら法人として取り直す必要があります。
Q. エントリー・メンバー・プライムの違いは?
エントリーは即時発行できますが使えるサービスが限られます。プライムはマイナンバーカード(または印鑑証明書)で本人確認した代表者向けで、補助金申請やマイナポータルの法人設立ワンストップに必須です。メンバーはプライムの配下で従業員が使うアカウントです。
Q. GビズIDプライムのオンライン申請に必要なものは?
マイナンバーカード(署名用などの暗証番号)、それを読み取れるスマホ+GビズIDアプリ、法人番号の3つです。これだけでオンライン申請が完結します。
Q. 申請を途中で止めてしまいました。最初からやり直しですか?
いいえ。GビズIDのマイページにログインすれば、続きから再開できます。ただしワンタイムパスワード(30分)やQRコード(10分)など、その場の時間制限を過ぎた部分だけはやり直しになります。
Q. 2026年7月からGビズIDに有効期限ができると聞きました。
はい。2026年7月以降、プライムとメンバーには2年3か月の有効期限が新設されます(エントリーは対象外)。期限が近づいたらGビズIDのマイページで更新できます。取って終わりではなく、更新も必要になる点は覚えておきましょう。なお、施行前の制度のため、最新の情報はGビズID公式サイトでご確認ください。
まとめ:GビズIDプライムはオンライン申請で数日で取れる
- 書面申請は不要:マイナンバーカードでオンライン完結、数日〜1週間で発行
- 個人事業主時代のIDは使い回せない:法人化後は取り直し必須
- プライム一択:補助金・法人設立ワンストップを使うなら迷わずプライム
- マイナンバーカードの署名用パスワードを事前に確認しておく
- 取得後は補助金申請に繋げて、ホームページや業務システムの導入費用を抑える
大分で法人化したら、GビズIDプライムの取得を早めに。補助金を使った事業基盤づくりの第一歩として、ぜひ取り組んでみてください。


