この記事の要点
厚生労働省が2025年2月18日に示した「あはき・柔整広告ガイドライン」では、院のホームページは原則として法律上の広告に当たりませんが、バナー広告やリスティング広告などから入るページは、条件がそろえば広告として扱われます。広告に当たらないホームページでも、「絶対に治る」などの表現、効果があるように見せるために加工した施術前後の写真、満足度の数字、都合のよい体験談だけを選んで載せることは避けるべきとされ、自費の施術は内容・費用・主なリスクを載せるよう求められています。
整骨院・接骨院・鍼灸院のホームページには、何を書いてよく、何を書かないほうがよいのか。2025年2月18日に、厚生労働省が「あはき・柔整広告ガイドライン」を示しました。この記事は、厚生労働省のサイトに載っている通知・ガイドライン本文・告示を取り寄せて、原文で確かめられた範囲だけをまとめたものです(2026年11月1日に確認)。
当社はホームページ制作の会社で、法律の専門家ではありません。個別の表現が問題になるかどうかは、院の所在地を受け持つ保健所(施術所の開設の届出を受け付ける担当部署)などにご確認ください。ガイドラインは、苦情や相談の窓口としてこの部署を想定しています。
ガイドラインとは
- 正式な名前は「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針」です。略して「あはき・柔整広告ガイドライン」と呼ばれます。
- 2025年2月18日付の厚生労働省医政局長の通知(医政発0218第1号)で、都道府県知事・保健所設置市長・特別区長あてに示されました。
- 対象は、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復の業務と施術所です。あわせて、整体など、国家資格の要らない施術(ガイドラインは「無資格者の行為」と呼びます)の広告についても書かれています。
- 通知は、地方自治法に基づく「技術的助言」であると書いています。そのうえで自治体に、施術所への周知、不適切な広告をした人への行政指導、苦情を受ける窓口をはっきりさせることを求めています。
院のホームページは「広告」に当たるのか
ガイドラインは、次の3つが全部そろったものを、法律で決まりのある「広告」と判断するとしています。
- 誘引性:利用者を施術所に誘う意図があること
- 特定性:施術者の名前や施術所の名前が分かること
- 認知性:一般の人が知ることのできる状態にあること
院のホームページは、見る人が自分でURLを入れたり検索したりして見に行くものなので、3つ目の「認知性」を満たさず、原則として広告とは見なさないとされています。
ただし、次のようなものは、3つがそろえば広告として扱われます。そこからリンクで入るホームページも、広告と一体のものとして、3つがそろえば広告として扱われます。
- バナー広告、検索結果やページの内容に連動して出るスポンサーの表示、リスティング広告、動画広告
- お金を払って検索結果で目立つ位置に出しているもの
- 施術所の紹介サイトの紹介ページ、施術所が掲載料を払っている、または取材や順位の決め方が恣意的な口コミサイトやランキング
- SNSでの書き込み(公開の範囲を限っていても、SNSの性質上、一般の人が知ることのできる状態に当たるとされています)
広告として扱われる時に書けること
広告については、法律が「次に掲げる事項以外は広告してはならない」という形で決めています。書けるのは、法律と告示が挙げた事項だけです(背景の風景写真やイラストなど、施術の内容に当たらないものは、ふつうは制限されないとされています)。バナー広告などから入るページが広告として扱われる場合は、そのページにもこの決まりが当てはまります。
柔道整復(整骨院・接骨院)
- 柔道整復師であること、その名前と住所
- 施術所の名前・電話番号・場所
- 施術日・施術時間
- 「ほねつぎ(又は接骨)」
- 施術所を開く届出をしたこと
- 医療保険の療養費の支給申請ができること(脱臼・骨折の患部の施術の申請には医師の同意が要ることを書く場合に限る)
- 予約をして施術すること、休日や夜間に施術すること、出張して施術すること
- 駐車設備のこと
あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう(鍼灸院など)
- 施術者であること、その名前と住所/業務の種類
- 施術所の名前・電話番号・場所/施術日・施術時間
- 「もみりょうじ」「やいと、えつ」「小児鍼(はり)」
- 施術所を開く届出をしたこと
- 医療保険の療養費の支給申請ができること(申請には医師の同意が要ることを書く場合に限る)
- 予約・休日や夜間・出張での施術、駐車設備のこと
施術の料金や効果は、この一覧に入っていません(駐車料金は、駐車設備の事項として書けるとされています)。また、施術所は届出をして開くものなので、「厚生労働省認可」「都道府県知事認定」のような書き方はできない例として挙げられています。保険については、「医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます」のような言い換えができるとされています(この場合も、医師の同意が要ることを書くのが条件です)。
広告で特に気をつける書き方(ガイドラインの例)
- 業務の種類として「整体」「カイロ」「東洋医学療法」などを書くことや、これらの民間資格を持っていると書くこと。資格は「柔道整復師(国家資格保有)」のように書けるとされています。
- 施術所の名前に、病院と誤解されるもの(「クリニック」「メディカル」など)、ほかの業態と紛らわしいもの(「整体」「リラクゼーション」など)、対象を絞るもの(「交通事故専門」「むちうち専門」など)、効能を含むもの(「骨盤矯正」「小顔矯正」など)、施術所と分かりにくいもの(「サロン」「○○センター」など)を使うこと。
- 「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」「自賠責保険取扱い」。療養費の支給申請とは関係がないとして、書けない例に挙がっています。
- 「保険適用でとってもお得に施術が受けられます!!」「交通事故無料」。品位を損ねる広告の例に挙がっています。
- 患者さんの体験談。広告では書けません。院が頼んだり謝礼を払ったりして書いてもらった体験談は、それ自体が広告として扱われます。
ホームページでも載せるべきでないこと
広告に当たらないホームページについても、ガイドラインは「載せるべきでない事項」を示しています。対象は、ホームページだけでなく、インターネット上の施術所の情報全般です。ガイドラインはこの部分を、業界団体などの自主的な取り組みを促すために示しています。景品表示法などほかの法律は、これとは別に守る必要があります。主なものと、ガイドラインが挙げている例です。
- うそや、事実だと証明できないこと。例として「絶対安全な施術です」「絶対に治る施術」「治ります」「根本治療」「○○に効きます」「○○の治癒率○○%」「痛みのない骨盤矯正」「からだにやさしい、穏やかな手技療法」「どこへ行っても治らなかった方、諦めないで当院へお越しください」などが挙げられています。
- 効果があるように見せるために加工・修正した施術前後の写真。ほかの法令で規制されることもあるとされています。撮影の条件や体の状態を変えて撮った施術前後の写真で効果を強調することも、誇大なものとして扱うとされています。
- 満足度や改善率などの数字と、一番だという表現。「○%の満足度」「改善率○%以上」「たった1回で効果を実感」「顧客満足度No1」が例に挙がっています。体験談や効果の表現、一番だという表現は、情報としての有用性が限られるとして、虚偽の広告として扱うべきとされています。
- ほかの院と比べて優れているという表現。「日本一」「No.1」「最高」は、仮に事実でも載せるべきでないとされています。「口コミサイトで1位を獲得」「○○にも掲載された」「著名人も当施術所で施術を受けております」も例に挙がっています。
- 都合のよい体験談(感想)だけを選んで載せること。お礼を払うなどして、院に都合のよい感想が出るように仕向け、それを載せることも同じです。
- 地図サービスなどで、お礼を払ったり頼んだりして、院に都合のよい口コミを書いてもらうこと。ガイドラインは「ウェブマッピング等」について、利用者に謝礼を払う、または依頼するなどして、院に都合のよいコメントを載せさせるべきではないとしています。
- 実体のない団体の資格や、誤解を招く名前。任意の資格や認定を大げさに書くことも、載せるべきでないとされています。
- すぐ来るようにあおることや、安さを強調しすぎること。
- 科学的な根拠の乏しい話で不安をあおり、来院へ誘うこと。「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受療ください」「○○術は効果が高く、おすすめです」などが例です。
- このほか、公序良俗に反するもの、品位を損なうもの、ほかの法令で禁じられているもの。
自費の施術がある院が、ホームページに載せるべきこと
ガイドラインは、自費の施術がある施術所のホームページに、次のことを載せるよう求めています。
- 問い合わせ先
- 自費の施術の内容と、通常かかる費用。標準の費用がはっきりしない時は、いちばん安い金額から高い金額までの幅を示すこと。回数券やプリペイドカードを売る時は、その内容と契約の内容が分かるように書くこと
- 自費の施術の主なリスクや副作用、標準的な費用・期間・回数
これらは、見る人に分かりやすい場所に載せるよう求められています。リンク先の別のページに回したり、良い点の説明よりずっと小さな文字で書いたりする形は控えるように、とも書かれています。
整体(国家資格の要らない施術)の場合
ガイドラインは、整体などの広告とホームページにも、載せるべきでない事項を挙げています。整骨院・鍼灸院と共通のもの(うそ・比べて優れているという表現・あおり・安さの強調など)に加えて、次の2つがあります。
- 国家資格が要る施術をしていると誤解させる書き方。写真や画像で誤解させる場合も同じです。
- 「腰痛」「膝の痛み」、慢性の「肩こり・疲労」などへの施術という書き方。特定の病気への施術、または病気の原因になる可能性を含む症状への施術に当たる可能性が高いため、広告にもホームページにも書くべきでないとされています。
この記事で確かめていないこと
- 自治体ごとの運用や、窓口に寄せられた相談の実例
- 個別の表現が問題になるかどうか(指導するのは都道府県・保健所設置市・特別区などです)
- 景品表示法・医療法・薬機法など、ほかの法律の細かい決まり(ガイドラインはこれらも守るよう書いています)
- 2026年11月1日より後の改定(この日に厚生労働省のページに載っていた版を読みました)
院のホームページをこれから作る・作り直す院長へ
当社の「おまかせプラン」は、基本料金が税別15万円(税込16万5,000円)で、ページの追加などは別料金です。含まれるもの・含まれないものはおまかせプランの料金のページに書いています。
ChatGPTに大分市の評判の良い整骨院を同じ質問で10回聞いた当社の調査(2026年7月)は、こちらの記事にまとめています。
おまかせプランの無料相談・お申込み / ホームページ制作の相談(会社サイトの窓口)
出典(厚生労働省)
よくある質問
- 整骨院の
ホームページは、 広告の 決まりの 対象ですか? - ガイドラインでは、見る人が自分で検索やURLの入力をして見に行くホームページは、原則として法律上の広告とは見なさないとしています。ただし、バナー広告やリスティング広告などからリンクで入るページは、広告と一体のものとして、条件がそろえば広告として扱われます。広告に当たらない場合でも、載せるべきでない事項と載せるべき事項が示されています。
- 料金は
ホームページに 書いて よいですか? - ガイドラインは、自費の施術がある施術所のホームページに、施術の内容と通常かかる費用を載せるよう求めています。標準の費用がはっきりしない時は、最低から最高までの金額の幅を示すこととしています。一方、広告として扱われる媒体で書ける事項の一覧(法律と告示)には、施術の料金は入っていません。バナー広告などから入るページが広告として扱われる場合は、そのページにも一覧の決まりが当てはまります。
- 患者さんの
体験談 (感想)は 載せても よいですか? - 体験談は、広告とホームページで扱いが違います。広告として扱われる媒体には、体験談は書けません。院が頼んだり謝礼を払ったりして書いてもらった体験談は、それ自体が広告として扱われます。広告に当たらないホームページでも、都合のよい体験談だけを選んで強調すること、謝礼などで都合のよい感想が出るよう仕向けて載せることは、載せるべきでないとされています。「○%の満足度」のような数字も同じです。個別の載せ方は、院の所在地を受け持つ保健所などにご確認ください。





