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ネットショップの決済方法の選び方|手数料と入金日の見方、客層との合わせ方

この記事の要点

手数料の率だけでは、ネットショップの決済方法は比べられない。固定の月額や1件あたりの料金、入金までの日数、未入金やキャンセルの手間も並べて比べる。クレジットカードでは、EC加盟店に2025年3月末までに原則としてEMV 3-Dセキュアという本人認証の導入が求められた。前払いのコンビニ払いと銀行振込は未入金の注文が残るため、支払期限と自動キャンセルを決めておく。後払いで未払いのリスクを誰が負うかはサービスで違う。支払時期と方法は、特定商取引法で広告と注文確定前の確認画面への表示が求められている。

お客様が払った代金が、店の口座に入るのはいつか。決済方法を選ぶとき、手数料の率と同じくらい見てほしいのがこの日付です。

同じ売上でも、決済方法や契約によって、入金が数日後のものから翌月になるものまであります。仕入れや家賃の支払日は動かないので、入金が遅い方法の売上が増えると、利益は出ているのに手元のお金が足りない、という状態が起きえます。この記事では、主な決済方法のお金の流れ、手数料の見方、客層との合わせ方、運用で困る場面を順に見ていきます。手数料の率や入金の周期は、決済サービスや契約によって違い、改定もされるので、具体の数字は各社の公式の料金ページで確かめてください。

決済ごとのお金の流れ

ネットショップでよく使われる決済方法を、お客様が払う時点と、店が気にしておきたい点で並べると次のようになります。

決済方法お客様が払う時点店が気にしておくこと
クレジットカード注文時(引き落としは後日)本人認証、不正利用、入金の周期
コンビニ払い注文後、期限までにコンビニで未入金の注文、支払期限
後払い商品が届いた後購入者側の手数料、審査で使えない人
QRコード決済注文時お客様が使っているサービスか
銀行振込注文後、期限までに入金の確認の手間、振込名義の違い

並べてみると、商品を送る前に支払いが済んでいるかどうかで分けると整理しやすくなります。クレジットカードやQRコード決済は、注文の時点で支払いの手続きが済みます。ただしカードは、不正利用だったと後から分かると、店がその売上を受け取れなくなることがあります(後の本人認証の節で触れます)。コンビニ払いや銀行振込は、前払いにする場合、入金を確かめてから発送します。後払いは商品が先に届き、お客様は後から払います。

後払いの多くは、店が後払いの会社に代金の回収を任せる仕組みです。お客様が払わなかった場合のリスクを誰が負うのか、審査で後払いが使えないお客様が出たときにどう案内するのかは、サービスによって違います。契約前に規約で確かめておきます。

手数料は率だけで比べない

決済サービスの料金ページには、たいてい売上に対する手数料の率が大きく書かれています。ただ、実際に払うお金はそれだけではありません。

見ておきたいのは、月額の固定料金、1件あたりの固定料金、売上を口座に振り込むときの振込手数料、それに初期費用です。売上が少ない月でも固定料金はかかるので、開店したばかりで注文が少ない時期は、率がやや高くても固定料金が無いほうが結果として安いことがあります。反対に、注文が増えてくれば、率の差のほうが効いてきます。

カートサービスには、決済の機能がセットになっているものがあります。その場合、カートの利用料と決済の手数料が一緒になっていることもあれば、別々にかかることもあります。1か月の想定売上と注文件数を決めて、実際に払う合計額で比べると、判断を誤りにくくなります。

一度決めた後も、売上の規模が変わったら見直す価値があります。開店時に選んだ固定料金の無いプランを、注文が増えた後も見直さずに使い続けると、固定料金のあるプランより高くついている場合があります。半年か1年に一度、直近の売上で合計額を計算し直してみてください。

入金までの日数

売上がいつ口座に入るかは、決済サービスごとに決まった周期があります。月に何回か締めて翌月に振り込む形、申請すれば早く振り込む形など、いろいろです。早く受け取る代わりに手数料がかかる仕組みもあります。

季節商品のように、ある時期にまとめて仕入れてまとめて売る店は、とくにここを見てください。売れた日と入金の日の間に仕入れの支払日が来ると、その分を手元のお金で立て替えることになります。決済サービスの入金日を、自社の支払日のカレンダーに書き込んでみると、どこで足りなくなるかが見えます。

左端に買い物かごの形、右端に店の建物の形があり、その間を長さの違う5本の帯が横に走って、それぞれの帯の先端がカレンダーのような格子の別々の位置に届いている図解風のイラスト
同じ注文でも、決済方法によって店の口座にお金が入る日がずれる

客層に合わせて入れる順番

どの決済方法を入れるかは、お客様が普段何で払っているかから考えます。

若い人が多い商品ならQRコード決済や後払いの需要があるかもしれませんし、法人のお客様が多い店なら銀行振込や請求書払いが欠かせないこともあります。年配のお客様が多く、クレジットカードを通販で使うことに抵抗がある層には、コンビニ払いや後払いが安心材料になります。

最初から全部入れる必要はありません。管理画面の確認や入金の突き合わせは決済方法の数だけ増えます。まずはクレジットカードと、客層に合わせたもう1〜2種類から始め、問い合わせや注文の途中で離れたお客様の記録を見ながら足していくのが現実的だと思います。実店舗がある店なら、レジでどの支払い方法がよく使われているかも参考になります。

商品の単価も判断材料になります。高額な商品では、お客様がクレジットカードの分割払いを使いたいことがあります。ネットショップで分割払いを選べるかどうかは、使う決済サービスや契約の内容で決まるので、確かめておきます。後払いには、利用できる金額に上限を設けているサービスもあります。自社の売れ筋の価格帯で、候補の決済方法が使えるかを確かめてください。

未入金・キャンセル・返金

前払いのコンビニ払いや銀行振込では、注文だけ入って支払われないまま残るものが出てきます。これを放っておくと、在庫を押さえたまま売れない状態が続きます。

支払期限を決め、期限を過ぎた注文は自動でキャンセルして在庫を戻す設定にしておきます。多くのカートにはこの機能があります。期限は注文完了のメールにも書き、期限が近づいたら一度だけ知らせるメールを送ると、払い忘れを減らせます。

銀行振込では、振込名義が注文者の名前と違うことがよくあります。家族の名前で振り込まれた、会社名で振り込まれた、といった場合です。注文番号を名義の前に入れてもらうよう案内しておくと、突き合わせが楽になります。

返金の手順も、決済方法ごとに違います。クレジットカードは決済の取消で済むことが多い一方、銀行振込やコンビニ払いで受け取った代金を返すには、お客様に返金先の口座を聞き、店から振り込むことになります。カードで取り消したときに決済手数料が戻るかどうかも、料金ページや規約で確かめておきます。振込で返す場合は、振込手数料をどちらが持つか、返金までに何日かかるかを決めておき、返品のルールと一緒に書いておくと、いざというときに慌てません。後払いの場合は、後払いの会社の管理画面で請求を取り消す手順になっていることが多いので、契約したら一度、テスト注文で取消まで試しておくと安心です。

前払いで代金を受け取ってから発送までに間があく場合は、特定商取引法の決まりにも気をつけます。予約販売や受注生産のように、代金を受け取った後すぐには送らないときは、申込みを受けるかどうか、受け取った金額、引渡時期などを書面で知らせる義務があると、消費者庁の特定商取引法ガイドに書かれています。同じガイドでは、すぐに送る場合の「遅滞なく」を、取引の実態からみて1週間程度としています。

カード決済の本人認証

クレジットカードの不正利用への対策は、店側にも求められています。JCBの加盟店向けの案内によると、クレジットカード・セキュリティガイドラインで、2025年3月末までに原則として全てのEC加盟店にEMV 3-Dセキュアの導入が求められることになりました。期限はもう過ぎています。EMV 3-Dセキュアは、カード番号などに加えて、端末の情報やワンタイムパスワードで本人かどうかを確かめる仕組みです。JCBの案内は、導入の利点として、不正利用が起きたときの店のリスク負担が軽くなることも挙げています。ガイドラインそのものはクレジット取引セキュリティ対策協議会がまとめていて、日本クレジット協会の関連資料のページで最新版を読めます(2026年9月時点で6.1版)。

カートの決済機能や、カード決済をまとめて引き受ける決済サービスを使っている店では、設定で有効にするだけの場合もあれば、申し込みや開発が要る場合もあります。自社のショップで有効になっているかを、管理画面か決済サービスの窓口への問い合わせで確かめてください。あわせて、カード番号を自社のサーバーに保存しない形で決済を受けているかも見ておくと安心です。

支払時期と支払方法は、特定商取引法で広告に表示する事項に入っています。注文を確定する直前の確認画面にも、支払時期と方法を表示することになっています(前出の特定商取引法ガイドの「特定申込みを受ける際の表示」)。決済方法を増やしたり減らしたりしたときは、特定商取引法に基づく表記とご利用ガイドのページ、それに確認画面に出る支払方法の説明も、同じ日に直します。

決済まわりを含めてネットショップの仕組みを整えたい場合は、ECサイト制作で相談を受けています。

よくある質問

決済方法はたくさん入れたほうが売れますか。
お客様が普段使う方法が無いと買ってもらえないことはありますが、使われない方法を増やしても月額や確認の手間が増えるだけです。客層が使っている方法から入れ、注文の記録を見て足すかどうかを決めます。
手数料の率以外に何を比べればいいですか。
月額や1件あたりの固定料金、入金時の振込手数料、売上が口座に入るまでの日数、未入金やキャンセルの処理の手間を比べます。率が低くても入金が遅いと、仕入れの支払いに影響することがあります。
クレジットカード決済で気をつけることはありますか。
クレジットカード・セキュリティガイドラインで、EC加盟店には2025年3月末までに原則としてEMV 3-Dセキュアの導入が求められました。自社のカートや契約している決済サービスで本人認証が有効になっているかを確かめてください。
コンビニ払いで支払われないまま注文が残ります。
支払期限を決め、期限を過ぎた注文を自動でキャンセルし在庫を戻す設定にします。期限はお客様に注文完了のメールでも伝えておきます。

この記事を書いた人

芦刈 庸介の顔写真

芦刈 庸介

株式会社NewBeginnings 代表取締役

大分県出身。フリーランスを経て、2026年3月1日に株式会社NewBeginningsを設立。ホームページ制作、アプリ・業務システム開発、DX推進・伴走支援を、代表みずから手を動かして行っています。

芦刈 庸介の X(旧Twitter)

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