スマホで商品ページを見る人は、写真を横にめくり、少し下にスクロールして、知りたいことが見つからなければ戻るボタンを押します。店頭なら「これ、洗濯できますか」と店員に聞けますが、ネットショップでは聞く相手がいないので、答えがページに無ければそこで終わりです。
そこで商品ページでは、お客様が聞きたくなる質問に、ページの上から順に先回りして答えておきます。以下、写真、説明文、サイズと素材、在庫と発送日、レビューの順に、何をどう置くかを書いていきます。
写真の並べ方と撮り方
最初の写真が一番大きく出ます。置くのは全体です。無地の背景で、商品が画面の真ん中に大きく写っている写真にします。一覧ページでもこの写真が小さく表示されるので、小さくしても何の商品か分かるかを確かめておきます。
2枚目からは、お客様の疑問に答える順に並べます。
- 使っている場面:バッグなら肩に掛けたところ、器なら料理を盛ったところ
- 細部:縫い目、金具、表面の質感、ラベル
- 大きさの比較:手に持ったところ、A4の紙や定規と並べたところ
- 色違い、裏側、中身
大きさは、数字だけではなかなか伝わりません。身近な物と並べた写真を1枚入れておくと、届いてから「思ったより小さい」と言われることが減ります。
色は、照明の色が混ざると実物と写真でずれます。窓際の自然光か、同じ種類の照明だけで撮ると、ずれが小さくなります。色の違いが商品選びに関わるもの(服、布、塗料など)は、説明文にも「画面によって色の見え方が異なります」と添え、どんな色かを言葉でも書いておきます。
重い写真は、ページを遅くします。カートによっては自動で圧縮してくれますが、スマホで撮った写真は、そのままだと画面に必要な大きさよりずっと大きいことが多いものです。アップロードする前に横幅を画面に合う程度まで縮め、容量も落としておくと、写真を何枚も並べた商品ページでも待たされずに開けます。
説明文で先に答えておく質問
説明文を書き始める前に、実店舗や電話、メールで実際に聞かれたことを書き出してみてください。その一覧がそのまま説明文の骨組みになります。
聞かれることは商品によって違い、服なら洗濯の方法と縮み、食品なら賞味期限と保存方法とアレルギー、器なら電子レンジと食洗機が使えるか、雑貨なら組み立てが要るか、といった具合です。これらに1つずつ答えを書いていきます。どの商品にも共通する質問として、返品できるかどうかもあります。返品の条件は特定商取引法に基づく表記のページにまとめて書き、商品ページのカートボタンの近くからそこへたどれるようにしておきます。
冒頭の2〜3行には、誰のどんな場面で役に立つ商品かを書きます。最初の数行しか読まれない、と考えておくくらいでちょうどいいです。細かい仕様はその下に見出しを立てて並べておけば、洗濯の可否や耐熱温度のような細部を確かめたい人だけが、自分の知りたい項目まで読み進めてくれます。
「こだわりの」「上質な」のような言葉は、書いても疑問が1つも消えません。「国産の綿を使い、家庭の洗濯機で洗えます」のように、何がどうこだわりなのかを事実で書きます。実物より著しく良く見せる書き方は、特定商取引法が禁じる誇大広告にあたるおそれもあります。
商品名も説明文の一部です。スマホの一覧ページでは、商品名は2行ほどで切れてしまうことがあります。先頭に何の商品かが分かる言葉を置き、素材や大きさ、色のような選ぶ手がかりをその後ろに続けます。「〇〇シリーズ No.3」のような店の中だけで通じる名前は、お客様がショップ内で検索したときにも、Googleで探したときにも引っかかりにくくなります。
サイズ・素材・使い方の書き方
サイズと素材は表にします。項目は縦に並べ、1行に1つの情報を置きます。
「幅30cm」だけでは、底の幅なのか口の幅なのかが分かりません。服なら着丈、身幅、袖丈のように測った場所を名前で示し、図を1枚添えると問い合わせが減ります。個体差がある手作りの品は、「1点ずつ手作業のため、大きさに多少の差があります」と書き、どの程度の差がありうるかも添えます。
素材は、表地と裏地、本体と付属品のように分けて書きます。肌に触れる部分や口に入る部分のように、お客様がとくに気にする箇所の素材を省かずに書いておけば、アレルギーや手入れについて聞かれる前に答えを渡せます。使い方や手入れの方法が長くなる場合は、説明書のPDFや別ページへのリンクを置いてもかまいません。

在庫と発送日の見せ方
カートに入れるボタンは、買う直前に必ず目に入る場所です。在庫と発送の目安は、そのそばに置きます。
在庫は、ある・ないの2つだけでなく、残りが少ないときの表示があると親切です。ただし、在庫が十分にあるのに「残りわずか」と出して買う気を急がせる使い方はやめておきます。実際と違うことを表示していることになり、一度そう受け取られると、説明文や発送の目安まで疑って読まれるようになります。実店舗と在庫を分け合っていて、売り越しを防ぐためにネットで注文を受ける数を控えめにしている場合は、急がせる言葉を添えず、「店頭在庫のみ」「在庫はお問い合わせください」のように事情が分かる出し方にしておけば、誤解を招きません。発送の目安は「ご注文から〇営業日以内に発送」のように、店が守れる日数で書きます。受注生産や予約の商品は、いつ頃届くのかをボタンのすぐ上に書き、通常の商品と一緒に注文されたときにどうなるか(まとめて送るのか、分けて送るのか)も書いておきます。
売り切れたら、ページをどうするか。ページを残し、再入荷のお知らせを受け取れるようにしておく店もあります。検索や過去のリンクから来た人が、いきなり見つからない画面に出るよりは、状況が分かるほうがいいと思います。再入荷の予定が無いなら、そう書きます。
レビューの載せ方
お客様のレビューは、店が書いた説明とは別の立場の声として読まれます。そのぶん、載せ方には法律の決まりがあります。
2023年10月1日から、広告であることを隠した表示(ステルスマーケティング)は景品表示法の違反になりました(消費者庁)。商品ページのレビューについても、消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aに考え方が出ています。
Q&Aによると、ECサイトで購入者にクーポンを渡してレビューの投稿をお願いすること自体は、通常は事業者の表示に当たらないとされています。ただし、星5を付けることや、商品を勧める具体的な感想を書くことを条件にすると、事業者の表示に当たります(Q6・Q8)。
レビューやアンケートの感想を抜き出して「お客様の声」として載せるときも、好意的なものだけ、あるいは良い点の部分だけを選ぶと、事業者の表示に当たるとされています(Q10)。お客様の感想を店に都合の良い内容に書き直すよう頼んだ場合も同じです(Q9)。どちらも、広告であることを明らかにする必要があります。一方で、事実と違う内容や、他社の名誉を傷つける内容の修正を頼むのは、問題にならないとされています。
実務では、届いたレビューは基本的にそのまま載せ、良くない内容には返信で答える形にしておくと、迷う場面が少なくなります。レビューを承認してから載せる設定にしている場合は、載せない基準を「事実と違う」「他人や他社を傷つける」のように内容の中身で決めておき、評価の高い低いでは選ばないようにします。低い評価だけを外すと、好意的なものだけを選んで載せるのと同じ形になりかねません。返信は言い訳を並べるより、何が起きたかと、店として何を直したかを短く書くほうが、次に読む人の安心につながります。
開店したばかりでレビューが0件の時期もあります。ここで無理に数を作ろうとしないことです。レビュー欄が空でも、説明文と写真で疑問に答えられていれば、買う人は買います。レビューは、発送のお知らせのメールに投稿のページへのリンクを添えるなど、自然に書いてもらえる流れを用意して、少しずつ集めていきます。
公開する前に
ページができたら、パソコンではなく自分のスマホで、買う人になったつもりで上から下まで見てみてください。できれば、商品のことを知らない家族や同僚に渡して、何が分からなかったかを聞くのがいちばん効きます。そこで出た質問は、説明文に書き足す候補です。
見るのは言葉だけではありません。写真を横にめくれるか、拡大したときに細部がつぶれていないか、サイズの表が画面からはみ出していないか、カートに入れるボタンまでスクロールしすぎずに届くか。Wi-Fiを切って、モバイル回線で開くまでの時間も一度計っておきます。遅ければ、まず写真を疑います。
商品ページの型を作り直したい、写真の見せ方をカートに合わせて整えたい、という場合はECサイト制作も参考にしてください。



