「スマホでうちのホームページを開くと、なんか遅い気がする」——大分の経営者の方からよくいただく話です。そして、たいてい気のせいではありません。
遅いページは、中身を読んでもらう前に帰られます。どんなに良いことを書いても、表示される前に戻るボタンを押されたら意味がありません。この記事では、無料でできる測り方と、直す順番を、なるべく専門用語を使わずに書きます。結論から言うと、原因の多くは画像です。
遅いと、何を損しているのか
- 読まれる前に帰られる。特にスマホの電波が弱い場所では、白い画面のまま去られる
- Googleは表示速度に関する指標(Core Web Vitals)を公開しており、ページ体験の評価軸として案内している
- 広告を出しているなら、遅いページに人を送るのはお金を捨てるのと同じ。クリック代は表示される前でも発生する
よく「1秒遅くなると離脱が◯%増える」といった数字を見かけますが、この記事では出しません。業種やページによって差が大きく、当社が自分で測った数字ではないからです。代わりに、自分のサイトで測って自分で判断する方法を書きます。
まず測る:PageSpeed Insights なら1分・無料
Googleの PageSpeed Insights に自分のURLを貼って実行するだけです。登録も費用も要りません。見るのは必ず「モバイル」のタブにしてください。お客さんの多くはスマホで見ています。
出てくる指標のうち、覚えるのは3つだけで十分です。
| 指標 | ふつうの言葉にすると | 悪いときの主な原因 |
|---|---|---|
| LCP | 一番大きい画像や見出しが出るまでの時間 | 重い画像。ほぼこれ |
| INP | ボタンを押してから反応するまでの時間 | 使っていないプラグインやタグの入れすぎ |
| CLS | 読んでいる途中で表示がガタッとずれる度合い | 画像の縦横サイズを指定していない・広告の後入れ |
点数(0〜100)も出ますが、これは目安です。90点を目指して消耗するより、赤くなっている項目を1つ消すほうがずっと効きます。点数はページの内容や測るタイミングでも上下するので、1点を追いかけないでください。

遅い原因の多くは画像。しかも直しやすい
スマホやデジカメで撮った写真を、そのままアップしていませんか。最近のスマホの写真は、横4000ピクセル前後・数MBあります。一方、ページで実際に表示されているのは横800ピクセル程度。つまり、見えない大きさのデータを送りつけて、ブラウザに縮めさせています。
たとえば大分市内の飲食店さんのサイトで、トップに料理写真を6枚並べているとします。1枚4MBなら、開いた瞬間に24MBを読み込むことになります。店の前でスマホを見ているお客さんは、たぶん待ってくれません。
直し方は3つです。①表示する大きさに合わせて縮める(横1200〜1600ピクセルもあれば十分なことが多い)②圧縮する(見た目はほぼ変わらずデータだけ減る)③WebPなどの新しい形式にする。この3つで、画像のデータ量は大きく減らせます。
当社の場合:圧縮ツールを自作して無料で公開しました
画像圧縮の定番にTinyPNGというサービスがありますが、商用利用や枚数によっては有料になります。当社は制作でたくさんの画像を扱うので、sharp(libvips)というライブラリを使って圧縮ツールを自作し、npmとGitHubにMITライセンスで公開しました。JPEGはmozjpeg、PNGは減色、WebPやAVIFにも対応しています。
これは宣伝ではありません(無料で公開しているので、売るものがありません)。言いたいのは「画像圧縮にお金をかける必要はほとんどない」ということです。作り方や中身は別の記事に書いています。制作会社に頼んでいるなら、「画像はWebPで、表示サイズに合わせて書き出してほしい」と伝えるだけで通じます。
画像の次に効く3つ
下のほうの画像は「後から読む」
スクロールしないと見えない画像まで最初に読み込むのは無駄です。遅延読み込み(lazy loading)という仕組みで、見えるところまで来たら読み込むようにできます。今はHTMLの属性1つで指定できるので、制作会社に頼めばすぐ終わります。
使っていないプラグイン・タグを消す
WordPressで特に起こりがちです。「昔つけたけど今は使っていない」プラグインや、外した広告の計測タグが残っていると、それだけで動きが重くなります。使っていないものを消すのは、無料でできて効果が出やすい作業です。
フォントを盛らない
日本語のWebフォントは、英語のものよりずっと重くなります(文字の種類が桁違いに多いためです)。何種類も読み込むと、それだけで表示が遅れます。使うなら1〜2種類に絞る。デザインの好みとのバランスですが、盛りすぎには注意です。
やらなくていいこと
- 点数を90点にする。赤を消せば十分。満点はかけるコストに見合わないことが多い
- いきなり高いサーバーに乗り換える。原因が画像なら、サーバーを変えても遅いまま
- 全ページを一気に直す。まずは一番見られているページ1枚から
直す順番
- PageSpeed Insights で測る(モバイルのタブ)。結果のスクリーンショットを撮っておく
- 結果の下にある改善項目から、一番重い画像を特定する
- その画像だけを縮めて・圧縮して差し替える。他はまだ触らない
- もう一度測る。効いたことを確認してから、他のページへ広げる
1枚直して測り直す。この往復をするだけで、「何をやると効くのか」が自分の感覚として分かるようになります。全部まとめてやると、何が効いたのか分からなくなります。
まとめ:測る→一番重い画像1枚→測り直す
表示速度は、専門知識がないと手が出せない領域に見えて、実は入口はとても単純です。無料で測れて、原因の多くは画像で、画像は縮めて圧縮すれば軽くなる。まずは一番見られているページを1枚だけ測ってみてください。それだけで、自分のサイトが今どういう状態かが分かります。
「測ってみたけど赤ばかりで、どこから直せばいいか分からない」「制作会社に何と言えばいいか分からない」——そんなときはご相談ください。当社は大分でホームページを作っている会社で、画像圧縮のツールを自分で作って公開する程度には、この辺りを触っています。まず現状を測るところから一緒にやります。
※本記事は2026年7月時点の当社の制作・運用にもとづく説明です。PageSpeed Insights の画面構成や指標はGoogle側の更新で変わることがあります。改善の効果はサイトの作りや測定環境によって異なり、検索順位や成果を保証するものではありません。



