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特定商取引法に基づく表記と返品ルールの書き方|ネットショップの確認点

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特定商取引法に基づく表記と返品ルールの書き方|ネットショップの確認点
この記事の要点

通信販売を行う事業者は、特定商取引法により、販売価格と送料、代金の支払時期と方法、商品の引渡時期、申込みの撤回や解除に関する事項、事業者の氏名・住所・電話番号などを広告に表示する必要がある。返品特約を表示していなければ、商品を受け取った日から8日以内は消費者の送料負担で返品できる。インターネット通販では、返品特約を広告と最終確認画面の両方に表示する。個人事業者を含め事業者は、請求があれば遅滞なく提供する旨を表示し実際に提供できる措置を取れば、住所と電話番号の表示を省略できる。

返品について何も書いていないネットショップでは、お客様は商品を受け取った日から8日以内なら、送料を自分で負担して返品できます。特定商取引法の決まりで、店が広告に返品のルール(返品特約)を書いていなかった場合に働くものです(消費者庁 特定商取引法ガイド 通信販売)。

食品や受注生産の品を扱っていて「返品は受けない」つもりでいても、そのことをどこにも書いていなければ、この8日間の決まりが適用されます。ネットショップのフッターにある「特定商取引法に基づく表記」は、こうした取り決めをお客様に先に見せておくためのページです。

以下、消費者庁が公開している特定商取引法ガイドとQ&A、ガイドラインを読んで、ネットショップの運営者が押さえておくことを整理します。法律相談ではありません。自社の商品や売り方で判断に迷う点は、弁護士などの専門家に確かめてください。

表記のページに書く事項

消費者庁のガイドでは、通信販売の広告に表示する事項として次のものが挙げられています。ネットショップでは、商品ページとあわせて、表記のページにまとめて載せるのが一般的です。ページはフッターに置き、カートの画面からもたどれるようにしておきます。

  • 販売価格と送料
  • 販売価格と送料のほかにお客様が負担するお金があれば、その内容と額
  • 代金の支払時期と支払方法
  • 商品の引渡時期
  • 申込みの期間に定めがあれば、その旨と内容
  • 申込みの撤回や契約の解除に関する事項(返品特約があればその内容)
  • 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
  • 法人がインターネットで広告する場合は、代表者または通信販売の業務の責任者の氏名
  • 商品が契約の内容に合わなかった場合の店の責任について定めがあれば、その内容
  • 販売数量の制限など特別な条件があれば、その内容

このほか、ソフトウェアを売る場合の動作環境、定期購入のように2回以上の契約が前提になる場合の条件、電子メールで広告を送る場合の事業者のメールアドレスなども、該当すれば表示します。このうち返品に関する事項(返品の可否、期間などの条件、返送料の負担)は、後で触れる「請求があれば提供する」形での省略ができません。

カートサービスには表記の雛形が用意されていることが多いので、それを埋めていく形で構いません。落とし穴は運用とのずれです。発送の目安を「3営業日以内」と書いたのに、繁忙期に1週間かかっている、といったずれは、表示の内容が事実と違う状態になります。書く前に、今の発送と入金の流れを紙に書き出し、いつ、誰が、何をしているかを確かめてから表記に移すと、雛形の言い回しに引っ張られて実態と違うことを書いてしまう失敗が減ります。

返品特約の書き方

返品のルールは、表記の中でいちばん問い合わせにつながりやすい項目です。書き方で迷う店も多いと思います。

先に8日間の決まりを確認しておきます。数え始めは、お客様が商品を受け取った日です。返品特約を書いていない店では、この間にお客様から返品の申し出があれば、店は理由を問わず受けることになり、返送の送料はお客様の負担になります。逆に言えば、店が決めたルールを先に見せておけば、そのルールが優先されます。ただしインターネット通販では、広告(商品ページや表記のページ)と、注文を確定する直前の確認画面の両方に書いておくことが条件です(消費者庁の通信販売広告Q&AのQ12)。

同じQ&Aには、「返品についてはその都度ご相談に応じます」とだけ書くのでは、購入前に返品できるかどうかが分からないため不十分だ、という回答があります。書くのは、返品を受けるかどうか、受けるならいつまでか、どんな条件か、送料はどちらが負担するか、の4点です。

返品を受けない店も、受けないことを書いておきます。同じQ&Aでは、例として「商品に欠陥がある場合を除き、返品には応じません」という書き方が示されています。不良品のときの店の責任を独自に決めるなら、その内容も表示が必要で、決めなければ民法の一般原則に従う、ともQ&A(Q13・Q14)は書いています。お客様都合の返品とは分けて書いておくと、読む側も迷いません。

たとえば、次のように分けて書くと整理しやすくなります。

  1. お客様のご都合による返品:受けるか受けないか、受けるなら到着後何日以内か、未開封に限るか、返送料はどちらが持つか
  2. 不良品・誤配送の場合:連絡の期限と方法、交換か返金か、送料は店が負担すること
  3. 返品を受けない商品:食品、受注生産品、セール品など、例外にする商品の範囲

見せ方にも決まりがあります。返品のルールを含む契約の解除に関する事項は、広告の中で「顧客にとって見やすい箇所において明瞭に判読できるように」表示するよう施行規則で定められていると、Q&A(Q3・Q12)が説明しています。細かい文字でページの一番下に置くだけでは、この定めに合わない可能性があります。そのうえでインターネット通販では、返品特約を広告に書くだけでなく、注文を確定する直前の最終確認画面にも表示します。

左に商品一覧の画面を思わせる長方形、右に注文確定ボタンのある確認画面を思わせる長方形が並び、両方の画面の同じ位置に返品の箱の形をした印が配置されている図解風のイラスト
返品のルールは、表記のページと注文確定前の確認画面の両方に置く

注文を確定する前の画面

2022年6月1日に施行された改正で、最終確認画面に表示する事項が法律に明記され、誤認させる表示が禁止されました。誤認させる表示で申し込んだお客様は、契約を取り消せる場合があります。消費者庁の通信販売の申込み段階における表示についてのガイドラインでは、次の6つが挙げられています。

  • 商品の分量
  • 販売価格(送料が含まれない場合は送料も)
  • 代金の支払時期と方法
  • 商品の引渡時期
  • 申込み期間に定めがあれば、その旨と内容
  • 申込みの撤回や解除に関する事項

数量や合計金額は、たいていのカートで自動で出ます。怪しいのは支払時期や引渡時期、返品の条件で、確認画面に出るかどうかはカートと設定によって違います。ガイドラインでは、リンク先の広告を参照させる形も一定の条件のもとで認められていますが、その場合はどこを見ればよいかを画面上で明記する必要があります。自分で一度、最後の確認画面まで進んでみて、上の6つが画面の中かリンクの先で確かめられるかを見てください。

定期購入は要注意です。ガイドラインには、複数回の定期購入なのに1回分の分量しか表示していない場合は、分量を正しく表示していないことになる、という例が出ています。

個人事業の住所と電話番号

個人事業でネットショップを始めるとき、自宅の住所を表記に出したくないと考える人もいると思います。

消費者庁のQ&A(Q17)では、住所は現に活動している住所、電話番号は確実に連絡が取れる番号を表示する必要があるとしたうえで、表示を省略できる場合を示しています。お客様から請求があれば、表示事項を記載した書面や電子メールを遅滞なく提供することを広告に書き、実際に請求があったときに遅滞なく提供できる措置を取っている場合です。

バーチャルオフィスの住所と電話番号については、Q18で、一定の措置が講じられ、上の要件を満たす場合には表示してよいと考えられる、とされています。Q&Aが挙げる措置は、その住所と電話番号を取引の連絡先として使うことについて運営事業者と合意していること、運営事業者が本人の現住所と本人名義の電話番号を把握していて確実に連絡が取れること、の2つです。契約する前に、この2点に応じてもらえるかを運営事業者に聞いておくと安心です。郵便局の私書箱は、Q19で住所の表示にはならないとされています。

省略するなら、準備が要ります。Q&Aは「遅滞なく」を、申込みの意思決定に先立って十分な時間的余裕をもって提供されること、と説明しています。お客様が買うかどうかを決める前に届く速さが要るということです。請求のメールを誰が受け、誰がいつまでに返すかを決めておきます。

公開前の見直し

表記と返品のルールを書き終えたら、次の順で読み直します。まず表記のページを、商品ページとカートの設定と突き合わせ、送料、支払方法、発送の目安が3か所で同じになっているかを見ます。次に、スマホで最終確認画面まで進み、返品の条件がそこでも読めるかを確かめます。最後に、自分が買う側だったら、届いた商品のサイズが合わないときにどうすればいいか分かるかを考えます。

表記とは別の話ですが、誇大な広告も同じ法律で禁止されています。商品ページの説明が実物より著しく良く見える書き方になっていないかも、このときに一緒に見ておくとよいと思います。

表記やカートの画面をどう組むかも含めて相談したい場合は、ECサイト制作をご覧ください。

よくある質問

返品について何も書いていないとどうなりますか。
特定商取引法では、広告に返品特約の表示がなければ、商品を受け取った日から8日以内は、消費者が送料を負担して返品できます。返品を受けない、または条件を付けるなら、その内容を広告と、注文を確定する直前の確認画面の両方に表示しておく必要があります。
「返品はご相談ください」と書いておけば足りますか。
消費者庁の通信販売広告Q&Aでは、その表示だけでは購入前に返品の可否が分からないため不十分とされています。返品の可否、期間、条件、送料の負担を具体的に書きます。
個人事業で自宅の住所を出したくありません。
請求があれば住所や電話番号を記載した書面や電子メールを遅滞なく提供する旨を表示し、実際に提供できる措置を取っていれば、表示の省略が可能と消費者庁は説明しています。私書箱は住所の表示になりません。
表記のページを作れば、それで義務は果たせますか。
インターネット通販では、注文を確定する直前の最終確認画面にも、数量や価格、支払と引渡しの時期、返品に関する事項などの表示が求められています。表記のページとは別に、カートの確認画面も見直します。

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芦刈庸介のプロフィール画像
この記事の担当芦刈庸介代表取締役 / エンジニア

大分県出身。フリーランスを経て2026年に株式会社NewBeginningsを設立。Web制作・アプリ開発・DX支援を通じて、地域の中小企業のデジタル化を伴走支援しています。「ITやDXは難しい」を「IT・DX・AIで楽になった」に変えることがミッション。

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