「大分市で使える補助金って、結局どれ?」——調べ始めると、国・県・市の制度が入り混じっていて、自分の会社が使えるものだけを拾い出すのに半日つぶれてしまいます。この記事では、大分市の中小企業・小規模事業者が令和8年度(2026年度)に使える主な制度を、申請の時期順に整理しました。
金額や期間は、すべて大分市の公式ページから引いています(記事末に出典リンクをまとめました)。ただし補助金は予算がなくなり次第で終了するものが多く、条件も年度ごとに変わります。申し込む前に、必ず公式ページで最新の内容をご確認ください。
8月上旬に締切が集中します(急ぐ人はここだけ)
2026年8月は、大分市の2つの制度が同時に動き出します。どちらも8月3日スタートです。
- 小規模事業者競争力強化支援事業補助金の「後期エントリー」…8月3日(月)〜8月17日(月)
- 中小企業等賃金引上げ奨励金の「前期申請」…8月3日(月)〜9月30日(水)※従業員20人以下の場合。21人以上は8月13日(木)から
とくに前者は、まず「エントリー」を出し、実際の申請は9月28日からという2段構えです。エントリーが多い場合は抽選になります。

①小規模事業者競争力強化支援事業補助金|ホームページやキャッシュレスに使える
大分市内の小規模事業者が、販路開拓や業務効率化に取り組むときの費用を補助する制度です。枠が2つに分かれていて、補助率も上限額も違います。
| 枠 | 補助率 | 上限額 | 主な対象経費 |
|---|---|---|---|
| DX推進枠 | 3分の2 | 40万円 | ソフトウェア導入費/キャッシュレス機器・POSレジ・券売機などの機器導入費/Web広告などのDX広報費/ホームページ・ECサイトの構築・更新費 |
| 一般枠 | 2分の1 | 30万円 | 機械装置等購入費/広報費/旅費/開発費/借料/委託・外注費 |
「小規模事業者」の線引きは業種で変わります。卸売業・小売業・サービス業は常時従業員5人以下、宿泊業・娯楽業・製造業その他は20人以下です。たとえば大分市内で従業員3人の美容室なら、ホームページの作り直しやキャッシュレス端末の導入がDX推進枠の対象になり得ます。
そのほかの条件は、創業から12か月が過ぎていること、補助対象の事業を12か月以上営んでいること、市税を完納していること、前年度にこの補助金を受けていないことです。実績報告の締切は2027年2月26日までとされています。
気をつけたいのは、エントリーが多い場合は抽選になる点です。出せば必ず通る制度ではありません。
②中小企業者経営力強化促進補助金|入口が4つある
名前は「経営力強化」でひとくくりですが、中身は4つの別々の事業です。やりたいことによって、補助率も上限額も申請期間も変わります。
| 事業 | 補助率 | 上限額 | 申請期間 |
|---|---|---|---|
| 人材育成応援事業 | 2分の1(DX研修は3分の2) | 研修対象者1人あたり10万円(1補助対象者につき30万円まで) | 通年(4月1日〜翌3月31日) |
| 知的財産権取得促進事業 | 2分の1 | 特許権・実用新案権は出願1件20万円/意匠権・商標権は出願1件10万円 | 通年(4月1日〜翌3月17日)※予算額到達で締切 |
| BCP等策定等支援事業 | 3分の2 | BCP策定・改定30万円/事業継続力強化計画5万円/机上訓練15万円/実動訓練15万円 | 通年(4月1日〜翌3月31日)※予算額到達で締切 |
| 事業承継等支援事業 | 3分の2 | 50万円 | 通年(4月1日〜翌3月17日)※予算額到達で締切 |
4つに共通する条件は、大分市内に住所と事業所(法人は本社または支社等)があること、市税を滞納していないこと、市内で継続して1年以上事業を営んでいること、暴力団関係者でないことです。
「通年」と書かれていても、予算額に達した時点で受付終了になる事業があります。年度末に駆け込んだら閉まっていた、が起こりうる設計です。
③創業者応援事業補助金|これから始める人は上限120万円
創業予定の方、または創業から5年未満の方が対象です。補助率は2分の1以内で、女性・若者・シニアは3分の2以内。上限は120万円と、市の制度のなかでは大きめです。
対象になるのは、事業所の賃借料(敷金・礼金・駐車場費等は除く)、外装・内装・設備の改修費用、法人登記等にかかる経費、広告宣伝費・パンフレット作製費・ホームページ製作費などの販売促進費です。募集期間は令和8年4月14日(火)から12月15日(火)まで。毎月第3火曜日までに申請を終えると、翌月上旬に審査されます。
ただし前提条件がひとつあります。「特定創業支援等事業による支援」を受けて、大分市から証明書の交付を受けていることです。しかも申請年度の3月31日までに取得しておく必要があります。この証明書は登録免許税の軽減など他の優遇にもつながるので、創業を考えているなら最初に取りにいく価値があります。
賃上げをしたなら奨励金(上限50万円)も
補助金ではありませんが、令和8年1月1日から12月31日のあいだに賃上げをして、引き上げ後3か月以上の支給実績があれば、大分市中小企業等賃金引上げ奨励金を受け取れます。
- 正規従業員で賃上げ率2.0%以上…1人あたり5万円
- 非正規従業員で時給20円以上の引き上げ…1人あたり1万5千円
- 非正規従業員で時給40円以上の引き上げ…1人あたり3万円
1社・事業所あたりの上限は50万円。前期の申請は、従業員20人以下なら8月3日(月)から9月30日(水)まで、21人以上なら8月13日(木)から9月30日(水)までです。後期は12月上旬ごろに実施予定とされています。
つまずきやすい3つのポイント
動く前に「事前申請」が要る制度がある
経営力強化促進補助金には、動き出す前の「事前申請」が要る事業があります。人材育成応援事業は研修の申込予定日、知的財産権取得促進事業は出願予定日、事業承継等支援事業は事業開始日の、それぞれ14日前までです(年末年始を除く)。走り出してから「補助金があったのか」と気づいても間に合わない、という設計です。
「通年募集」は「いつでも大丈夫」ではない
知的財産権・BCP・事業承継の各事業は、予算額に達した時点で締切と明記されています。通年と書かれている制度ほど、早めに動いたほうが安全です。
補助金は「もらえるお金」ではなく「後から戻るお金」
どの制度も、まず自分で支払って、あとから補助されるのが基本です。たとえばDX推進枠で60万円のホームページを作る場合、補助率が3分の2でも、支払いの時点では60万円を用意しておく必要があります。手元資金の計画に入れておいてください。
まとめ:まず「自分がどの入口か」を決める
大分市の制度は、目的で入口が分かれています。設備・キャッシュレス・ホームページなら①小規模事業者競争力強化支援、人材育成や知財・BCP・事業承継なら②経営力強化促進、これから創業するなら③創業者応援。まず自分がどの入口かを決めて、公式ページで最新の条件を確認するのが最短ルートです。
「ホームページやECサイトの費用が対象になりそうだけれど、何から手をつければいいか分からない」——そんなときは、当社にもご相談ください。大分市でホームページ制作をしている会社として、どの制度が使えそうか、スケジュールが間に合うかの整理からお手伝いします。なお当社は補助金の採択・交付を保証するものではありません。制度の対象になるかどうかの最終的な判断は大分市が行います。
この記事の出典(大分市公式)
- 大分市:【令和8年度】小規模事業者のDXへの対応など販路開拓・業務効率化の取り組みを支援します
- 大分市:令和8年度大分市中小企業者経営力強化促進補助金について
- 大分市:大分市創業者応援事業補助金の募集についてお知らせします(令和8年度)
- 大分市:賃上げした中小企業等に奨励金を交付します
※本記事の内容は2026年7月15日時点で各公式ページに掲載されていた情報にもとづきます。制度の内容・期間・予算は変更されることがあります。申請前に必ず公式ページと大分市の担当課でご確認ください。


