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会社のIT機器とアカウントの台帳の作り方|パソコン・契約・クラウドを1冊に

この記事の要点

会社のIT機器とアカウントの台帳は、機器、ソフトやサービスの契約、アカウントの3枚に分けて作る。最初は記憶で埋めず、クレジットカードの明細や請求書、各サービスの管理画面のユーザー一覧から拾う。機器には使う人と置き場所と保証の期限、契約には更新日と金額と支払い方法、アカウントには管理者と登録したメールアドレスと確認コードの届く先を書く。パスワードは台帳に書かない。買った日や契約した日に1行足し、月に1回は明細と突き合わせる決まりにすると、台帳が古くならない。

会社のノートパソコンの保証はいつまでか。ホームページのドメインは何月に更新か。会計ソフトの管理者は誰で、どのメールアドレスで登録してあるか。社長や総務の担当者がすぐ答えられるなら、台帳はもう頭の中にあります。困るのは、その人が休んだ日と、辞めた日です。

IT機器とアカウントの台帳は、この頭の中を表に書き出したものです。社員が辞める日に、どのアカウントを止め、どの契約の名義を移すかも、この台帳があれば一覧から拾えます。ここでは、その台帳をどう作ってどう保つかを書きます。

台帳に載せるもの

1枚の表に全部を入れようとすると、列が増えすぎて誰も埋めなくなります。性質の違う3つに分けます。

表1行に書く単位最低限の列
機器パソコン、スマホ、タブレット、ルーター、複合機など1台ずつ管理番号、種類と機種、使う人、置き場所、買った日、保証の期限
契約ソフトやクラウドサービス、ドメイン、回線など1契約ずつサービス名、用途、更新日、金額、支払い方法、契約した人
アカウントサービスごとのアカウント1つずつサービス名、使う人、管理者かどうか、登録したメールアドレス、二段階認証の有無と確認コードが届く先

契約とアカウントを分けるのは、1つの契約に何人分ものアカウントがあるからです。会計ソフトの契約は1行ですが、そのアカウントは経理の人数分あります。契約の表を見れば毎月いくら払っているかが分かり、アカウントの表を見れば誰が何に入れるかが分かります。見たいことが違うので、表を分けておきます。

形は、社内で誰もが開ける表計算ソフトで十分です。専用の管理ソフトは、台帳が回り始めて、台数が手に負えなくなってからで間に合います。一から列を考えるのが面倒なら、情報処理推進機構(IPA)の中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版の付録6に、資産管理台帳のサンプル(Excel)があります。列の見本として使い、自社で使わない列は消して構いません。

最初の一回の埋め方

最初の一回を記憶で埋めると、思い出せたものしか載りません。台帳でいちばん困るのは、誰も覚えていない契約とアカウントです。記憶ではなく、記録から拾います。

契約は、会社のクレジットカードの明細と、口座から引き落とされている請求を1年分、できれば13か月分さかのぼって見ます。毎月か毎年、同じ名前で引き落とされているものは全部契約の候補です。年に1回だけ払っているドメインやセキュリティソフトは、半年分の明細では見つからないことがあります。社員が個人のカードで立て替えて契約し、経費で精算しているサービスもあるので、経費精算の記録も見ておきます。

アカウントは、契約が分かったサービスの管理画面を1つずつ開いて、ユーザーの一覧を見ます。辞めた人の名前が残っていたら、台帳に書いたうえで止める手続きに回します。会社のメールで「ご登録ありがとうございます」「アカウントが作成されました」といった言葉を検索すると、管理画面の存在すら忘れていたサービスが出てくることもあります。

機器は、机を回って数えるしかありません。数えながら、1台ずつ管理番号のラベルを貼ります。番号は「PC-001」「SP-001」のように種類の記号と連番にしておくと、同じ機種が並んでも呼び分けられます。社員の私物のスマホで仕事のアカウントを使っている場合は、機器の表には載せず、アカウントの表の方に「私物スマホで利用」と書いておきます。倉庫の段ボールに入った古いパソコンも数えます。中にデータが残っているなら、捨て方を決めるまで台帳から外さないでください。

手間がかかるので、全部を一度に埋めなくて構いません。契約の表から始めると、毎月いくら払っているかがすぐ見えるので、社長にも経理にも協力してもらいやすくなります。

誰が使っているかの書き方

使う人の欄は、人の名前で書きます。「営業部」「共用」とだけ書くと、その機器やアカウントに何かあった時に誰に聞けばいいか分かりません。共用のパソコンでも、管理する人を1人決めて名前を書きます。社員が辞めたり部署を移ったりした時に、最初に書き換えるのがこの欄です。

アカウントの表では、管理者の権限を持っている人を別の列で分かるようにします。管理者は、他の人のアカウントを作ったり消したり、契約を変えたりできます。管理者が1人しかいないサービスで、その人が辞めると、会社の契約なのに、会社の側で変えられなくなることがあります。管理者は2人いるのが安全で、社長が入っておくと、担当者が替わった時にも困りません。

登録したメールアドレスの列も大事です。担当者の個人のメールアドレスで登録したサービスは、その人がいないとパスワードの再設定すらできません。台帳を作る途中で見つかったら、会社のアドレスに変えておきます。

二段階認証を入れているサービスは、確認コードがどこに届くかも書きます。担当者の私物のスマホや個人のメールに届く設定のままだと、その人が辞めた日から、パスワードが分かっていても会社の誰もログインできなくなります。

更新日と置き場所

契約の表で、いちばん働く列は更新日です。自動で更新されて、使っていないサービスに1年分払ってしまう。ドメインの更新を忘れて、ホームページとメールが止まる。どちらも、更新日を知っている人がいれば防げます。更新日の1か月前に、会社の共有カレンダーへ予定を入れておきます。解約するかどうかを考える時間が取れます。

機器の表では、置き場所と保証の期限を書きます。置き場所は、本社の2階、倉庫、社員の自宅(持ち帰りのノートパソコン)といった具合に、探しに行ける書き方にします。保証の期限は、故障した時に修理に出すか買い替えるかを決める材料になります。

リースやレンタルで入れている複合機やビジネスフォンは、機器の表と契約の表の両方に1行ずつ書きます。満了した後に返すのか、続けて借りるのかは契約書で確かめ、満了日を契約の表の更新日の列に入れておきます。

台帳そのものの置き場所も決めます。台帳には、どのサービスを使っていて、誰が管理者かが全部書かれています。社内の誰でも編集できる場所に置くと、間違って行を消されても気づけません。編集できる人を絞り、見るだけの人と分けておきます。

もう一つ、パスワードは台帳に書きません。台帳を見られるだけで全部のサービスに入れてしまうからです。パスワードは、会社として1つ契約したパスワード管理のサービスに入れ、台帳には保管場所だけを書きます。そのサービス自体も契約の表に1行書き、管理者を2人にしておきます。

3枚の表が少しずつずらして重ねて置かれ、1枚目の行はノートパソコンとスマートフォンに、2枚目の行はカードの明細の紙に、3枚目の行は人の形の小さなアイコンに、それぞれ細い線でつながっている。表の上にはカレンダーの形が置かれている。
台帳は機器・契約・アカウントの3枚に分け、明細や管理画面から拾った1行ずつを、決まった日に突き合わせて保つ。

台帳を古くしない決まり

台帳は作った日がいちばん正しく、何もしなければそこから少しずつ実物とずれていきます。ずれを小さく保つ決まりを、頻度の高い順に置きます。

まず、増えた日にその場で1行足すことです。パソコンを買った人、サービスを契約した人が、その日に書きます。後でまとめて書くつもりのものは、たいてい書かれません。

次に、月に1回、クレジットカードの明細や請求書と契約の表を突き合わせることです。明細にあって台帳にない契約があれば、誰かが黙って契約したものです。台帳にあって明細にない契約は、解約したのに台帳に残っているか、払い方が変わったかです。ただ、年払いの契約は更新の月にしか明細に出ないので、突き合わせる時は更新日の列と一緒に見ます。経理の担当者が月の締めのついでにやるのが続けやすい形です。

そして半年に1回、机を回って機器を数えることです。台帳の行と実物を1台ずつ照らし合わせます。人の出入りが多い時期の後にやると、辞めた人の机に残った機器や、部署を移った人のパソコンの使う人の欄のずれが見つかります。

どの決まりにも担当を1人ずつ割り当て、その名前を台帳の最初のシートに書いておきます。担当者が替わる時は、台帳と一緒にこの決まりの担当も引き継ぎます。

台帳ができたら、次に使いたくなるのは契約の見直しです。使っていないサービスを解約する前に、そこに置いたデータを取り出せるか、解約の申し出がいつまでに要るかを確かめておきます。台帳の最初の一回を一緒に埋めてほしい時は、DX推進・伴走支援をご覧ください。

よくある質問

IT機器とアカウントの台帳には、何を書けばいいですか?
機器、ソフトやサービスの契約、アカウントの3枚に分けます。機器には使う人と置き場所と保証の期限、契約には更新日と金額と支払い方法、アカウントには管理者と登録したメールアドレスと確認コードの届く先を書きます。
台帳にパスワードも書いておけば便利ではないですか?
書かないでください。台帳は多くの人が見る表なので、そこにパスワードがあると、台帳を見られるだけで全部のサービスに入れてしまいます。パスワードは会社として契約したパスワード管理のサービスに入れ、台帳にはその保管場所だけを書きます。
作った台帳が古くならないようにするには?
機器を買った日、サービスを契約した日に、その場で1行足すことを決まりにします。月に1回はクレジットカードの明細や請求書と台帳を突き合わせ、半年に1回は机を回って機器を数えます。

この記事を書いた人

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芦刈 庸介

株式会社NewBeginnings 代表取締役

大分県出身。フリーランスを経て、2026年3月1日に株式会社NewBeginningsを設立。ホームページ制作、アプリ・業務システム開発、DX推進・伴走支援を、代表みずから手を動かして行っています。

芦刈 庸介の X(旧Twitter)

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