「訪問記録は紙、シフトはExcel、利用者さんからの連絡は事業所の電話。月末になるとレセプトの突き合わせで深夜まで残る──」
大分で訪問介護事業所を5年経営する30代女性管理者から、こんな話を伺ったのは去年の冬でした。スタッフは8名、利用者は60世帯、毎日延べ40件の訪問。今日は、その方が半年かけて「紙とExcelの介護現場」から抜け出すまでの物語を、10コマの写真でお届けします。
プロローグ──朝のシフト確認、紙の伝達票

朝7時半、事業所の壁一面のホワイトボードに、今日のスタッフ8名分のシフトと訪問先が色分けで書かれています。出勤するスタッフ一人ひとりに、本日の訪問予定を紙に印刷した「伝達票」を手渡し。「Aさん、今日は○○様のところで体位変換と排泄介助です」と確認しながら送り出すのが毎朝のルーティン。シフト調整に加えて、毎朝この紙の準備で30分以上が消えます。

ある朝、新人のスタッフが「住所これで合ってますか?」と電話してきました。手書きで番地を写し間違えていて、近所の似た名字のお宅に向かっていた状況。紙からスマホに転記する瞬間にミスは必ず起きます。利用者様にもご家族にも、人手不足が深刻な業界で、こういうヒューマンエラーは絶対に避けたい。
訪問先で紙に書く、事務所でまた打ち直す

訪問先のご自宅で、利用者様の側に座って訪問記録を手書きで埋めていきます。バイタル、食事量、排泄、サービス内容、特記事項。この時間、利用者様とお話しもしながらだから、書きながらの会話が大切。でも問題は、この紙の記録を事業所に持ち帰ってから、もう一度Excelに打ち直すこと。実質、同じ記録を二度書いている状態でした。

夕方、利用者様のご家族から「今日のお父さんの様子はどうでしたか?」と電話。即答したいけれど、その情報はスタッフが持ち帰る紙の記録票にしかありません。Excelシートを開いて、紙の山から該当の記録を探して、要約してお返事する。この一連で5〜10分。1日に数件こういう電話があると、それだけで30分〜1時間が消えていきます。
夜の事務作業、月末はレセプト突き合わせで深夜まで

日中の業務が終わった後、事業所の電気を1つだけつけて、紙の訪問記録票をExcelシートに転記する作業が始まります。スタッフ8名 × 1日40件分の記録を、要約してデータ化。1日2時間の残業は当たり前で、月末のレセプト突き合わせ時期は深夜2時まで残ることもありました。

事業所での仕事が終わっても、自宅でケアプランの月次レビューや、介護計画書の更新が待っています。コタツに広げた紙の山と、ノートPCのExcelスプレッドシート。お子さんが寝てから始める作業。冷めたお茶を飲みながら、「いつか、ケアの質に時間を使えるようになりたい」と思っていました。
転機──同業の事業所長から「自社用システム」を聞く

介護事業者の研修で他県から来た40代女性事業所長と、ランチでご一緒したとき。「うち、自社の業務に合わせたアプリ作ってもらったよ。kintoneとかは合わなかったけど、ゼロから自分たちのフローに合わせて作ったら、夜の事務がほぼなくなった」と、紙ナプキンに案件カードと時間軸の図を描きながら教えてくれました。「うちにも合いそう」と直感した瞬間でした。

そこからNewBeginningsさんに相談して、業務フローのヒアリング・スタッフへのインタビュー・画面設計・開発・現場テストと進めました。介護パッケージソフトではなく、「うちの事業所のやり方」に合わせて作るのがポイント。訪問記録の項目も、シフト調整の単位も、ケアプランとの紐付けも、全部自分たちの言葉で設計しました。
スタッフの反応──「訪問先で記録が完結する」

導入から2週間後、ベテランスタッフから「親方、これすごく楽です」と。訪問先で利用者様と話しながら、スマホで訪問記録を入力。バイタル・食事量・排泄・サービス内容・特記事項。事業所に戻ってからの転記作業がゼロに。利用者様のご家族からの問い合わせにも、リアルタイムでデータが入っているので即答できる。

導入から半年。夜の転記作業は週5回 → ほぼゼロに。レセプト突き合わせは半日 → ボタン数回で完了。空いた時間で、スタッフ研修の質を上げたり、新人さんへのOJTを丁寧にできるようになりました。事業所の電気を消すのが、月平均で2時間早くなった。それだけで、家族との時間も少し戻ってきています。
数字でわかった効果
- 夜の事務転記作業: 週5回 (1日2h) → ほぼゼロ
- レセプト突き合わせ: 月末半日〜深夜 → ボタン数回 (10分以内)
- ご家族からの問い合わせ即答率: 約30% → 約95% (リアルタイムデータ)
- ヒューマンエラー (住所間違い等): 月数件 → ゼロ
- スタッフ研修・OJTに使える時間: 月3h → 月15h
似た悩みのある方へ
もしあなたが、同じように「紙の訪問記録 + Excelシフト + 電話対応」で介護事業所を回している状態なら、変えられる方法があります。介護パッケージソフトが合わなかった経験があるなら、なおさら。「自分たちの介護の仕方」を変えるのではなく、「自分たちのやり方に合うアプリ」を作る選択肢があります。それが、私たち株式会社NewBeginningsが提供するカスタム業務アプリ開発の考え方です。
具体的な事例や費用感は、Webアプリ開発のご紹介ページからご覧いただけます。「うちの事業所の規模・業態(訪問介護/通所介護/居宅支援)で本当に合うのか」と迷われている方は、無料相談からお気軽にどうぞ。大分の介護事業所の現場感を知る私たちが、業務フローの整理から運用定着までご一緒します。
DXは、特別なものじゃない。今の現場で「ケア以外に時間を取られている部分」を、ひとつずつ仕組みに置き換えていくこと。その先に、本来やりたかった「利用者様と向き合う時間」「スタッフを育てる時間」が戻ってきます。
